民主党の古川元久税制調査会長は与党の平成28年度税制改正大綱について「消費税率引き上げの前提は経済環境の整備を行う、低所得者対策を含む社会保障の充実・安定化を約束通り実施する、身を切る改革を実施する」ことだったと指摘したうえで『軽減税率にのみ焦点を当てようとする与党の対応は国民への約束破りから目を逸らそうとするものに過ぎない』との談話を発表した。
古川税調会長は「軽減税率は社会保障の充実・安定化の財源を大きく失わせ、改革の意義を後退させる。また高所得者ほど軽減額が大きくなり、格差是正効果は薄い」と実効性を疑問視。「単一税率を維持し、逆進性対策は消費税の払い戻し(給付付き税額控除)で行うべき」と改めて軽減税率を問題視した。
また自動車取得税廃止の代わりに新たな環境性能課税を創設すれば「自動車取得税廃止を無意味にする」とした。
一方、法人実効税率の引き下げ財源についても「外形標準課税の再拡大を代替財源としたことは雇用の維持・拡大に悪影響を与えるおそれが高い」と懸念した。(編集担当:森高龍二)