堅調な成長を見せるインドネシア市場、三菱電機が事業拡大を強化

2012年12月06日 11:00

 GDP世界第18位のASEAN最大の経済大国であるインドネシア。世界第4位となる約2.4億人の人口を持ち、そのうち19歳以下の割合が4割を超えていることなどから、今後も高い成長が続くと期待されている国である。そのインドネシアでは現在、人口の増加を背景に電力や鉄道などの大規模プロジェクトや商業ビル建設などが進行しており、自動車などの製造業やゼネコンの進出が増加している。

 こうした環境下、すでにインドネシア市場へ進出している日本企業においても、事業拡大や基盤強化を目的に同国への注力を始めている。5日にも、三菱電機がインドネシアに総合販売会社「PT. Mitsubishi Electric Indonesia」(三菱電機インドネシア)を設立したと発表。すでに現地で製造販売している自動車機器・昇降機事業などに加え、空調システム・家電・ファクトリーオートメーション(FA)事業の営業を2013年3月に開始する。資本金は約5億円で、出資比率はアジア三菱電機が70%、三菱電機30%。既存事業と合わせて、2015年度にはインドネシア市場での連結売上高230億円を目指すとのこと。

 具体的には、家庭用エアコンは富裕層をターゲットに据え、業務用エアコンは、旺盛な建設需要を背景に多様なニーズにあったラインアップやシステム提案により規模拡大を目指すという。また家電製品の販売についても、中間所得者層以上をターゲットとして販売拡大を図り、FA機器の販売・技術サポート・システム提案についても、自動車メーカーや関連部品メーカーを中心に規模拡大を目指す。また、新たに、システムインテグレーターとの連携による鉄道や水処理などの社会インフラ案件や工場やビル向けの省エネビジネスへの取り組みを強化するという。

 11月1日の中央統計局発表によると、2012年10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比4.61%と前月の4.31%を上回り、前月比でも0.16%と前月の0.01%から上昇。また、9月の輸出は前月比13.2%増、輸入も11.1%増と、貿易黒字は5億5290万ドルで前月より大幅に拡大している。第3四半期のGDP成長率は6.2%と、第2四半期の6.4%や第1四半期の6.3%と比べると、減速気味ではあるものの依然として堅調な推移となっている。現在はインフラ系の進出が多い同国であるが、今後はサービス業の進出が活発化するのではないだろうか。