チョコを食べたら便通改善――。明治は帝京大学と共同で「チョコレート摂取による腸内環境改善効果の探索的研究」を行い、高カカオチョコレートの継続摂取により便通改善効果があることを確認したと発表した。平均排便回数は2.8回から4.9回に増えたという。
研究は、カカオが多く含まれているチョコレートの摂取による「便通改善」効果を評価することを目的として行われた。カカオ分72%の高カカオチョコレートが使用され、排便回数、便性、便量、便中菌叢解析などを調べられた。対象は排便回数が週平均4回以下の女性。高カカオチョコレート摂取群16人名と対照群としてホワイトチョコレート摂取群15人に分けられた。2週間にわたり、両群とも1日当たり約25グラムのチョコを摂取した。
その結果、排便回数、便色、便量のいずれも高カカオチョコ群がホワイトチョコ群を上回る結果となった。排便回数ではカカオチョコ群が4.9回に増えたのに対しホワイトチョコ群では3回強だった。便色ではホワイトチョコ群が変わらなかったのに対し、カカオチョコ群は黄色がかった褐色に傾いていった。便量は2週間で2倍以上になった。また、高カカオチョコの摂取によって「腸内フローラ(腸内細菌叢)」の変化が確認されたという。
腸内フローラとは、腸内にいる1000種類以上1000兆個もの細菌の勢力図だ。善玉菌が多ければ腸内環境が良くなり便通も良くなるが、悪玉菌が優勢になると便通が悪くなるとともに身体に悪い影響を与えるようになる。高カカオチョコの影響は、カカオに含まれるカカオプロテインが「便のかさ増し効果」という異なるアプローチを腸内に加えることだという。発表では「従来とは違う整腸作用が期待できるといえる」としている。
日本人女性の2人に1人は便秘に悩んでいると言われている。ヨーグルトの摂取などよりもチョコを食べたほうが気軽な便秘解消になるかもしれない。ちなみにこの研究では、試験中に体重の増加はなかったという。(編集担当:城西泰)