コンビニ大手3社の営業利益、いずれも過去最高

2016年01月15日 08:32

 コンビニエンスストア大手3社、セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマート<8028>、ローソン<2651>の2015年3~11月期決算が出揃った。それによれば、3社とも本業のもうけを示す営業利益が3~11月期としては過去最高を更新したことがわかった。弁当や総菜など、持ち帰って家で食べる「中食商品」の品質を改善したことにより、販売が堅調に推移したことが業績に寄与した。

 セブンイレブン・ジャパンのチェーン全店売上高は前年同期比7.1%増の3兆2453億円で、営業利益は同5.9%増の1800億円と、3~11月期としてはこれで5年連続の過去最高更新となった。1年間で約750店舗増やし、期末店舗数は46都道府県で1万8242店となるなど、積極的な出店戦略を行うとともに、地域の消費者の好みに合わせた商品展開を行うなどの施策が業績に結びつく形となり、国内既存店売上高は15年11月まで40ヶ月連続で前年同月を上回った。営業利益の数値でも、ファミリーマートやローソンを大きく引き離している。コンビニエンス業界におけるセブンイレブン・ジャパンの強さを見せつける結果となった。

 ファミリーマートのチェーン全店売上高は同7.2%増の1兆5006億円で、営業利益は同25.0%増の396億円、最終利益は同25.6%減の176億円という結果であった。商品の品質改善により客単価が伸びて売上高、営業利益は伸長したものの、前年、韓国事業からの撤退により計上した株式売却益に影響により、最終利益はマイナスとなった。

 そしてローソンのチェーン全店売上高は同4.8%増の1兆5498億円で、営業利益は同3.8%増の620億円、最終利益は同4.8%減の314億円という結果であった。昨今の健康志向に対応した商品開発、またプライベートブランド(PB)の充実化により販売が伸びて、営業利益は9年連続で過去最高を更新した。

 コンビニエンスストアは著しい「カフェ化」にともない、淹れたてコーヒーの充実や店内飲食スペースなど、ますます生活に欠かせない場所になりつつある。そうしたライフスタイルの変化にあわせた施策、あるいは消費者に「ライフスタイルの変化」を提案する施策を行うことにより、成長を続けていると言えるだろう。店舗数の増加により頭打ち状態ではないかと言われることもある業界ではあるが、今回の大手3社の結果をみる限り、まだまだ伸びしろがありそうだ。(編集担当:滝川幸平)