総務大臣辞任を 日本ジャーナリスト会議が声明

2016年02月13日 11:48

 日本ジャーナリスト会議は12日、高市早苗総務大臣が政治的公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合に放送法4条を根拠として電波停止もありうると繰り返し発言していることを受け「このような主張を持つ人物が放送を所管する総務大臣の職にあることを到底認めることはできない。高市大臣は速やかに職を辞すべきである」と大臣辞任を求める声明を発表した。

 日本ジャーナリスト会議は「国論を二分する問題について一方の政治的見解を取り上げず、ことさらに他の見解のみを繰り返す放送など、さまざまな条件・留保をつけての答弁であるが、この主張の核心は、権力が放送における言論、報道の内容を審査し、その内容によって行政処分ができるというもの。憲法が保障する言論・表現の自由に対する許しがたい攻撃と言わなければならない」と総務大臣のポストには相応しくないと辞任すべき理由をあげている。

 また、高市総務大臣の「停波発言」の一連の発言に対しては撤回を求める声明も民放労連から12日までに発表されている。

 民放労連は「安倍首相はじめ閣僚や自民党首脳などから、政治的に公平であることなどをうたう放送法4条の番組編集準則を根拠に、放送局に対して行政指導を行うことを正当化する発言が相次いでいる」としたうえで「大多数の研究者・専門家は番組内容に関する規律は放送事業者の自律に基づくべきで、番組編集準則違反に対して電波法の無線局の運用停止や放送法の業務停止などの行政処分を行うことは表現の自由を保障する憲法上『許されない』との意見であり、こうした見解はBPOの意見書や国会の参考人招致などで繰り返し表明されている。現に、番組内容を理由に政府・総務省が放送局に対して不利益となる処分を行ったことはこれまで一件もない」と抗議している。(編集担当:森高龍二)