高市総務大臣の国会答弁に批判と懸念相次ぐ

2016年02月10日 10:18

 高市早苗総務大臣が放送法4条にいう「政治的に公平」を定めた放送法違反を繰り返した場合、電波法に基づき電波停止を命じる可能性に言及する答弁を国会で行ったことに批判と懸念が相次いでいる。

 民主党の髙木義明国会対策委員長は「時の政権の判断で電波の停止命令が行われうるというのは極めて問題。言論・報道の自由は保障されなければならない」と批判した。民主党の細野豪志政調会長は「放送法4条は事業者の努力義務と解されてきた。なかにはこの条文は違憲とする憲法学者もいるが、通説は努力義務にとどまるのであれば違憲ではないという考え方だったと承知している。この問題について、メディアが批判的に報じられないような雰囲気がすでにできてしまっているのでないかとすら思う。放送法4条の濫用だ」と強い懸念を示した。

 社会民主党は「放送法4条の立法趣旨は、放送事業者の「言論・表現の自由」を政治権力から守る積極規定であり、このことは歴代の大臣等の答弁でも確認されている。また、郵政省(当時)や総務省の審議会等においても、政府が委嘱した学識経験者等からも、行政処分を可能とする法規範性には否定的な見解が述べられている。立法趣旨やこれまでの運用も顧みず、法解釈を一方的に180度解釈転換する高市大臣の答弁は、言論・報道の自由を萎縮しかねないものとして憂慮され、看過できない」との談話を発表した。

 社民党は「高市大臣は、答弁を速やかに撤回し、放送事業者の自律を侵さぬ旨、表明すべき」と反発している。

 社民党は「先進民主主義国で放送行政を直接国家管理としているのは、わが国のみ。時の権力によって任命された大臣が『放送の公平性の判断』を担うなどという状況は民主主義国家の姿ではない」と制度そのものの問題も提起した。そのうえで「放送における言論・表現の自由を擁護するために、他の野党と共同し、放送行政の独立行政機関化を目指していく」と方向性を示した。国会での本格議論が必要だ。(編集担当:森高龍二)