傘下のゆうちょ銀行<7182>、かんぽ生命<7181>は減収であったものの、ゆうパックなどの宅配便が好調に推移し業績を拡大した日本郵便<6178>が全体を下支えし、結果、日本郵政<6178>が12日に発表した2015年4~12月期連結決算は、売上高のあたる経常収益は横ばい、純利益は前年同期比5%減の3831億円という結果であり、16年3月期の通期予想であった3700億円を上回った。
経常収益は10兆8029億円、経常利益は同7%減の7847億円であり、結果としては減収減益。傘下のゆうちょ銀行とかんぽ銀行も、金利低下による運用難などの影響により減収減益。日本郵便だが増収増益を確保した。ゆうちょ銀行の経常収益は同3.9%減の1兆5061億円、経常利益は同7.3%減の3890億円、純利益は同4.9%減の2660億円。かんぽ生命の経常収益は同5.6%減の7兆2937億円、経常利益は同13.2%減の3277億円、純利益は0.9%減の727億円という結果であった。そして日本郵便の経常収益は同22.2%増の2兆7219億円、経常利益は同70.7%増の414億円、純利益は同123.2%増の487億円であった。
5月に買収が完了した豪国際物流大手トール・ホールディングスの業績上乗せや、国際小包やゆうパックの取扱数量の増加などにより日本郵便の純利益は約2.2倍に拡大。その一方で、ゆうちょ銀行は低金利による国債運用収入の減少により4.9%減、かんぽ生命も保有契約数の減少が影響して0.9%減と伸び悩みをみせた。
金利の低下基調の長期化を受けて。ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社は外貨建て高利回り債や国債など外国証券での運用を書く出し。15年12月末時点のゆうちょ銀行の運用資産における国債の残高と割合は83兆9723億円の40.8%であり、15年3月末の51.8%から11ポイント縮小した。外国証券の残高と割合は44兆845億円の21.4%であり、5.5ポイント拡大となった。そしてかんぽ生命は国債の割合は1.8ポイント縮小して54.8%、外国証券の割合は2.1ポイント拡大して4.4%となった。
そして日本郵政は日本銀行が導入したマイナス金利や、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の先行きが不透明なことなどから、業績予想については据え置きとした。(編集担当:滝川幸平)