中小企業庁は平成23年度の下請代金支払遅延など防止法に基づく取締状況を公表した。
約25万社を対象に書面調査を行い、違反のおそれのある1319社について立ち入り検査などを実施。その結果、1190社で3091件の違反行為が分かったとして、改善するよう指導し、減額した下請代金など6億9900万円を下請会社へ返還するよう親事業者に指導していた。
また23年度に行った下請法違反での勧告件数は平成16年4月の改正同法施行以降で最多の18件となり、違反内容の大半は優位性を背景にした下請代金の減額だった。また、勧告に至らなかったものの、指導件数も4326件と過去最多になっていた。
利益が確保しにくい厳しい経営環境の中で、立場の弱い下請分野にしわ寄せが行く傾向が浮かび上がっている。(編集担当:森高龍二)