米国、労働者の3人に1人がフリーランス 日本も拡大の余地あり?

2016年03月18日 12:31

画・米国、労働者の3人に1人がフリーランス 日本も拡大の余地あり?

米国では労働人口のほぼ3人に1人がフリーランスで、今後も増加する見込みだ。日本もじわじわと数を伸ばし、19%がフリーランスとして収入を得ているという。

 米国では「オンデマンド・エコノミー」が拡大しているという。オンデマンドには「必要な時に必要なだけ」「注文対応の」といった意味があり、注文があって初めて仕事を得えて報酬が発生するシステムだ。毎日会社に行っていれば給料が出るという働き方ではない。

 オンデマンド・エコノミーの主役はフリーランス、つまり自営業者だ。アメリカでは既に労働者の34%、ほぼ3人に1人はフリーランスというデータがある。2020年までに40%に達するとの予測もあり、日本では考えられない数値に達しているのだ。

 というのも、米国は日本ほど正社員になるメリットがないという背景がある。米国では限られた職種以外に退職金制度がなく、年金も個人で準備する必要があり、実力主義が根付いている。正社員で長く働かねばならない理由が日本ほどない。

 一方、日本は不景気にも関わらず新卒一括採用が一般的で、終身雇用信仰が今も根強い。一生同じ会社で長く働くことを美徳としているところがある。しかし、そんな日本でもフリーランスの数がじわじわと増えているというのだ。

 ランサーズ株式会社の調査(20歳以上でインターネットを利用していないフリーランスは除外)によると、労働人口の19%にあたる1228万人がフリーランスとして、いくらかの収入を得ているという。経済規模は米国が72兆円に対し、日本は16兆円だ。

 同社調査によると、国内のフリーランスは4タイプに分けられるという。常時雇用されているが、副業としてフリーランスの仕事をこなす「副業系すきまワーカー(593万人)」、雇用形態に関係なく2社以上の企業と契約ベースで仕事をこなす「副業系パラレルワーカー(124万人)」、特定の勤務先はないが独立したプロフェッショナル「自由業系フリーシニア(75万人)」、個人事業主・法人経営者で1人で経営しているか、もしくは独立した「自営業系独立オーナー(436万人)」だ。

 さらに、興味深いデータがある。働く上でのモチベーションをフリーランスとして働くランサーに質問したところ、「本業以外でお金を稼げる」「生活費や家計費の補助ができる」を上回り、「時間や場所に縛られず、自由で柔軟な生活ができる」が最多であった。企業で働くことに疲れている人が多いのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)