モビリティソリューション関連投資の意思決定権 大企業は「IT部門」、中小企業は「社長/役員」が多数を占める

2016年03月21日 20:17

 IT専門調査会社 IDC Japanは、国内企業のモビリティソリューション関連の意思決定に関する調査結果を発表した。それによると、大企業と中小企業ではモビリティソリューション関連投資の意思決定権、ソリューションベンダー選定権を有する主体が異なっており、ITベンダーにとって企業規模は、交渉/説得対象を見定める上での明確な指標になることがわかったという。

 今回の調査によると、モビリティソリューション関連投資の意思決定権の所有者について、大企業では「IT部門」とする企業が33.3%、「社長/役員(CIO除く)」とする企業が23.6%だった。他方、中小企業では「社長/役員(CIO除く)」が46.8%、「IT部門」が14.8%でした。また大企業では「事業部門」が意思決定権を有する企業が(「IT部門と共同で」を含めると)21.2%だった。ITベンダーは大企業を顧客とする場合、企業の事業内容とその課題とを踏まえたアプローチが契約の成否の鍵になると考えられるとしている。

 モビリティソリューションベンダーの選定権の所有者については、大企業では「IT部門」とする企業が45.9%、「社長/役員(CIO除く)」とする企業が12.1%。他方、中小企業では「社長/役員(CIO除く)」が39.6%、「IT部門」が20.7%だったという。

 また、モビリティソリューション関連予算の管理部門については、大企業では「IT部門」と回答する企業が38.1%、「本社、経営/管理部門」とする企業が17.7%であるのに対し、中小企業では「本社、経営/管理部門」が31.4%、「IT部門」が18.1%だった。ITベンダーは中小企業を顧客とする場合、その「本社、経営/管理部門」の影響力を意識した投資対効果の示し方をする工夫が求められるとしている。

 IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの敷田康氏は「エンタープライズモビリティソリューション関連の投資については、成果の不透明さから本社部門や経営/管理部門が主導権を握るケースが少なくなく、投資対効果の見せ方に戦略性が求められる」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)