乱高下の1週間を経た日経平均 市場は7万円台をどう見ているのか

2026年06月28日 18:33

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東京証券取引所の外観。日経平均株価は史上初の7万2000円台到達後に急落と急反発を繰り返し、高値圏で適正価格を探る展開となった。週明けは7万円台を回復できるかが焦点となる。

今回のニュースのポイント

今週の日経平均株価は、週初に史上初の7万2000円台へ到達した後、急落、買い戻し、再反落を繰り返す荒い展開となりました。為替市場では1ドル=161円台後半の円安水準が続いたものの、円安メリットだけでは株価を支え切れず、市場では高値警戒感と利益確定売りが強まりました。週末の米国株は小幅安にとどまり、週明けの東京市場では7万円台を回復できるかが焦点となります。

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■史上初の7万2000円台から始まった1週間
 2026年6月第4週の東京株式市場は、史上最高値圏ならではの大きなボラティリティ(価格変動性)を伴う1週間となりました。週初22日の日経平均株価は、前営業日比1,103円90銭高の72,353円96銭と急騰し、終値ベースで史上初めて7万2000円台の大台へ到達して取引を終えました。当時の市場では、ホルムズ海峡の緊張やレバノン情勢の悪化懸念など、中東における地政学リスクが意識される報道が相次いでいました。

 しかし、現時点で実際の原油供給停止などは確認されていなかったことから、市場は過度なリスク回避には動かず、1ドル=161円68銭近辺という大幅な円安がもたらす国内主力輸出企業の業績押し上げ効果を優先した形です。円安メリットを評価するリスクオンの姿勢が相場を牽引しましたが、結果としてこの歴史的な大台突破は、その後に訪れる激しい価格調整の出発点ともなりました。

■急落と急反発が交錯した市場心理
 大台到達の翌日以降、東京市場を襲ったのは、これまでの上昇トレンドの持続性を慎重に見極めるような荒い乱高下でした。23日の日経平均は前日比2,565円58銭安の6万9,788円38銭と大幅に反落し、24日も613円41銭安と続落。ところが、25日には下値での値ごろ感を意識した押し目買いや空売りの買い戻しが流入し、前日比3,191円37銭高の72,366円34銭と急反発して再び7万2000円台を回復しました。

 しかし、この高値水準も長くは維持できず、週末26日には再び3,005円46銭安の6万9,360円88銭と大幅に下落し、心理的節目である7万円の大台を割り込んで1週間の取引を終えることとなりました。こうした数日単位で3,000円規模の急騰と急落を繰り返す激しい値動きは、市場が一方向のトレンドを形成しているわけではないことを物語っています。最高値圏において投資家が現在の株価水準の妥当性を測りかね、手探りで適正価格を探ろうとしている複雑な市場心理の表れと言えるでしょう。

■円安でも買われ続けなかった理由
 今回の市場の動きで特に注視すべきは、ドル円相場が週を通じて161円台後半という歴史的な円安水準で推移していたにもかかわらず、日本株が一本調子で買われ続けなかったという点です。為替の円安基調は、主要メーカーの想定レートを上回るため、通常であれば輸出企業の収益や採算の改善期待を強力に支える材料となります。しかし、23日や26日の大幅な下落局面においては、為替環境の追い風よりも、高値警戒感に基づく利益確定売りや、機関投資家による持ち高調整の売り圧力が勝る結果となりました。

 市場のこうした動きは、円安だけでは株価上昇を支えきれない局面に入りつつあることを示しました。足元では、円安の進行がもたらすエネルギーや原材料の輸入コスト上昇懸念、日銀の金融政策正常化を巡る不透明感、さらには国内外のマクロリスクなど、ポジティブ・ネガティブ双方の材料を総合的に見極めながら価格を問い直す、より慎重な評価段階へ移っています。

■米国株は小幅安 週明けは様子見から始まる可能性
 日本市場が休場となった27日朝の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比44.51ドル安の5万1,876.11ドル、ナスダック総合指数が60.98ポイント安、S&P500種指数が3.47ポイント安と、主要3指数がそろって小幅に下落しました。ただし、いずれの指数も下落幅は限定的な範囲にとどまっており、東京市場で見られたような想定外の急激な売り崩しは発生していません。米国市場の動向は、投資家の様子見姿勢がうかがえる展開となりました。この週末の海外市場の流れを引き継ぐ形となるため、週明け月曜日の東京株式市場においても、取引開始直後は積極的なリスクテイクや過度な売り立てが手控えられ、まずは冷静な様子見ムードからスタートする可能性が高そうです。

■月曜日の焦点は「7万円回復」と「買いの持続力」
 こうした情勢下で迎える週明けの東京市場において、最大の焦点となるのは、日経平均株価が再び心理的節目である7万円台の大台を速やかに回復できるかという点です。前週末の急落によって売り先行の地合いも予想されるものの、下値に到達した段階でどれだけ安定した押し目買いや買い戻しの注文が流入するかが需給の底力を測るバロメーターとなります。仮に取引時間中や終値ベースで7万円台を回復できたとしても、重要なのは単発的な自律反発の大きさに一喜一憂することではありません。

 本当に試されているのは、回復した未踏の価格帯において、翌日以降も腰の据わった買い需要が継続するかという「買いの持続力」です。今週の激しい乱高下は、市場が7万2000円台という水準を新たな基準価格として受け入れるには、なお入念な価格検証と需給の確認作業が必要であることを明確に示しています。

■市場は「過熱」ではなく「均衡点」を探している
今週の日経平均株価が演じた急騰と急落の連鎖は、一見すると市場の混乱や不安心理の増幅のように映るかもしれません。しかし、マクロ経済の視点から捉え直せば、これは決して根拠のないパニックではなく、史上最高値圏という未踏の領域に突入した市場が、新たな価格形成の足場を見つけようとする価格形成の過程であると解釈されます。投資家は、行き過ぎた買われ過ぎや売られ過ぎの恐怖に支配されているわけではなく、それぞれの価格帯におけるリスクとリターンを厳格に秤にかけています。

 週明けの株式市場は、米国株の落ち着きや為替の円安水準といった外部環境を前提としつつ、日銀の金融正常化観測や国内企業のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)への期待を材料に、投資家が改めて「7万円台」という新しい価格帯の持つ意味合いと妥当性を問い直す、重要な展開となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)