トヨタが本気でプラグインHVを販売する。市販版「プリウスPHV」、NYで公開

2016年03月25日 08:34

Purius_PHV

トヨタは、「2016年ニューヨーク国際自動車ショー」で、今年中に発売予定で独自のデザインが与えられたプラグインハイブリッド車「プリウスPHV(米国名:プライム)」を公開した

 トヨタ自動車は3月23日に開幕した「2016年ニューヨーク国際自動車ショー」で、今年中にフルモデルチェンジ・発売予定のプラグインハイブリッド車(PHV)の「プリウスPHV(米国名:プリウス プライム)」を公開した。

 先代のプリウスPHVは2012年1月、電気利用車の早期本格普及を目指し、EVモードとHVモードが切り替わることで電池残量などを気にせず安心して乗ることができる、普及に適した電気利用車として量販を開始した。これまで日本、米国、欧州を中心に約7万5000台を販売してきた実績がある。

 先代のプリウスPHVは、ハイブリッド車(HV)「プリウス」のボディデザインを踏襲しており、あたかもプリウスのグレードラインアップの一部のような存在だった。が、新型プリウスPHV(プライム)は、フロントとリアに独自のデザインが与えられ、プリウスHVよりも未来(燃料電池車の“MIRAI”)的な」造形となっており、エモーショナルな雰囲気が漂う。

 「ICONIC Human-tech(アイコニックヒューマンテック)」をデザインコンセプトとし、ひと目でプリウス・シリーズとわかるトライアングル・サイドシルエット。大型アクリルグリルを採用したフロントは、冷却開口部の存在感を抑えて奥行きあるデザインとした。フロントに配するヘッドランプは、薄く小型にデザインした4眼のLEDプロジェクターを採用し、低い位置に配置することで先進性を表現する。

 リアバックドアはトヨタ初となるCFRP(炭素繊維強化樹脂/Carbon Fiber Reinforced Plastics)製で、極めて軽量なリアゲートとなる。また、高い強度があるため広いガラスエリアを得た新形状ガラス「ダブルバブルバックドアウインドウ」を採用することで、個性ある造形としながら空力性能に貢献し、良好な後方視界も得られたという。そのウインドウゥ曲面をリヤスポイラー、サブウインドウまで連続させ、空力性能とエモーショナルな造形を強調する。

 ボディ寸法は伸びやかなサイドシルエットを求め、プリウスよりもリアのオーバーハングを延長したため全長×全幅×全高は4645×1760×1470mmと80mm長い。ホイールベースは変わらず2700mmだ。

 プリウスの最新ハイブリッドシステムをベースに、EV走行距離の拡大や電力消費率など、PHVとしての性能が大幅に向上した。ハイブリッド燃料消費率は37km/リッター(JC08モード燃費)を達成。リチウムイオン電池の小型軽量化、高容量化により、従来型を大幅に上回るEV走行距離60km以上を達成した。エンジンと動力分割機構の間に新たにワンウェイクラッチを採用し、従来のハイブリッドシステムでは発電機としてのみ使用していたモーターを、走行用モーターとしても利用するデュアルモータードライブシステムを搭載。従来の走行用モーターと合わせ、ふたつのモーターで走行することが可能となった。この結果、EVモード走行時の力強い走りを実現、同時に日常使用時のモーター走行領域を拡大することにつながった。

 また、新型は家庭用電源からの充電(200V16A、100V6A)に加え、充電ステーションでの急速充電にも対応(日本仕様)。急速充電時には充電量80%充電を約20分で済ませられる。なお、100V充電は専用回路が不要で、まさにコンセントから給電可能だ。また、駆動用バッテリーを充電する世界初のソーラー充電システムを搭載(日本、欧州仕様)。車両天井に取り付けられた太陽光パネルによって発電した電力を、駐車時は駆動用電池の充電、走行時は補機電池および補機類の電力供給に使用できる。日本仕様車では、家庭用蓄電池の代替として、駆動用電池の電力を車外へ供給可能な外部電源供給システムを搭載。非常時にはエンジンも作動し、発電機の代替としても機能が可能だ。

 トヨタが本気で取り組む次世代PHVの「プリウスPHV(プライム)」、価格は“いかほど”になるのだろう。(編集担当:吉田恒)