「紙」の新聞は、今もニュースを見聞きする主要な手段の一つだった。インターワイヤードが運営するネットリサーチのDIMSDRIVEでは、「新聞」についてアンケートを行い、ネットニュース利用が広がりをみせる中での、「紙」の新聞の利用状況、「紙」と「電子版」の新聞についての今後の利用意向、「新聞」に関するエピソードなどについてまとめた。
まず、普段、ニュースや記事を読んだり見聞きする手段を尋ねた。その結果、最も多かったのは「テレビ」68.8%、次いで「インターネットのニュース」67.3%、「『紙』の新聞」61.8%の順。この3つが主な情報源となっている。
年代別のランキング表を見てみると、TOP3までは「テレビ」「インターネットのニュース」「『紙』の新聞」が全ての年代でランクインしている。20代~40代では1位が「ネットニュース」、50代以上では1位が「テレビ」と、1位と2位が入れ替わっている。「『紙』の新聞」は高年齢になるほど順位を上げ、70代以上では、「テレビ」と並んで同率1位となっている
また、家庭での「紙」の新聞の購読率は合計65.6%とほぼ3軒に2軒の割合だった。そのうち、「朝夕刊のセットで定期購読」は29.5%、「朝刊のみの定期購読」は34.2%となっている。購読紙は、「読売」28.5%と「朝日」25.2%が各3割弱の家庭で購読。「日経」は11.6%、「その他のブロック紙、地方紙」は16.8%である。
年代別に、「紙」の新聞の家庭での購読率(合計)を見てみると、高年齢になるほど順位を上げ、「70代以上」では89.2%とほぼ9割に達している。一方で、30代以下の購読率は、「30代」が43.7%、「20代」は37.0%と4割前後。家庭の購読率でも、若年層に「紙」の新聞離れの傾向がみられるとしている。
よく読む紙面は、「一面」がトップで79.7%。以下「ラジオ・テレビ欄」50.8%、「総合面」50.4%、「社会面」が48.7%と5割前後で続いている。一番最初に読む紙面は、「一面」が圧倒的に高く59.6%。「ラジオ・テレビ欄」からという“最終面”から読む人も19.6%と約2割いる。
男女別では、よく読む紙面で男女の違いが大きく10pt以上の差があるものを見ると、男性で高いのが、「一面」「スポーツ面」「政治面」「経済面」「国際面」「株式・投資情報面」。女性が高いのは、「ラジオ・テレビ欄」「地方・地域面」「天気予報・気象情報」「文化・芸能面」「読者投稿欄」である。また、女性の3人に1人は、最初に「ラジオ・テレビ欄」から読み始めている。
そして、今後の新聞の読み方、「紙」と「電子版」の利用の意向を尋ねた。全体としては「『紙』の新聞を中心に読んでいきたい」が43.2%と多数を占めた。「『電子版』の新聞中心」は7.2%にとどまっている。「新聞を読まず、テレビやネットなど他の手段で」という”脱新聞志向”は16.0%である。
年代別では、高年齢層ほど「『紙』の新聞を中心」に、という意向が高い。一方で、「『電子版』の新聞を中心に」は、若年層で高い傾向が出ているわけではなく、「電子版」が「紙」の新聞に代わって主流となりそうだ、ということでもないようである。
20、30代では「『紙』『電子版』どちらの新聞も読まず、ネットニュースなどで」が2割前後、「わからない・決めていない」が4割前後を占めており、情報入手手段としての「新聞」の重要度は、弱まっていくかもしれないとしている。(編集担当:慶尾六郎)