オリンピック招致に対し買収疑惑が出ている問題で、民進党の玉木雄一郎衆院議員は16日の衆院予算委員会で、G7伊勢志摩サミット前までにこの件に関する集中審議とオリンピック招致委員会の専務理事、事務局長を参考人招致することを求めた。これに対し竹下亘委員長は「理事会で検討する」ことを約した。
また、玉木議員が安倍晋三総理に「サミット前までにわが国が独自にしっかり調査をして潔白だということを明らかにすべきだ。本件に係る契約書、活動報告書、ブラック・タイディング社の実績を証明する文書、財務諸表を、党首討論を行う18日正午までに公表するよう促して欲しい」と求めた。
これに対し、安倍総理は「フランス当局が捜査しているわけだから、JOC側、旧オリンピック招致委員会側に対して、馳大臣から、しっかりと協力するよう申し上げている」と答えるのみで、政府として、不正がなかったのかどうかについてフランス当局の捜査に委ね、日本が潔白であることの立件を積極的にする考えはないことをうかがわせた。
この問題は2020年東京オリンピック・パラリンピック招致をめぐり、日本の銀行から2013年7月と10月に東京五輪招致名目で、国際オリンピック委員会委員で国際陸上競技連盟前会長(ラミアン・ディアク氏)の息子が関係するシンガポールの銀行口座に日本円換算で約2億2300万円(280万シンガポールドル)の送金があったとフランス検察当局が発表したもの(編集担当:森高龍二)