CP+開幕、「攻め」の姿勢を貫く富士フィルム

2013年02月01日 07:32

IMG_8220_e

カメラと写真・映像の総合イベント「CP+ 2013」がパシフィコ横浜で開幕し、富士フィルムの新製品「X100S」「X20」の展示ブースには、初日から多くのカメラフォンが押し寄せていた。

  カメラ映像機器工業会(CIPA)の主催する、カメラと写真・映像の総合イベント「CP+ 2013」が1月31日、パシフィコ横浜で開幕した。国内最大規模のカメラの祭典と言われるだけあって、平日に関わらず、多くのカメラファンや業界関係者が訪れ、会場は昨年の初日以上の賑わいを見せていた。

  昨年は結果的に、ミラーレスや35mmフルサイズ一眼レフカメラを中心に新製品ラッシュの一年となった為、今回のCP+では更なる革新的な新モデルの登場が期待されていたが、幕が開いてみると、既に発表されているモデルや、イメージセンサー・手ぶれ補正など技術面のアピールが多く、カメラボディやレンズの関する大きなサプライズは特にないといった印象であった。

  そんな中でも、初日から行列が目立っていたのが富士フィルム<4901>のブースだ。年明け早々に発表され、話題となっている「FUJIFILM X100S」と「FUJIFILM X20」が、初めて実機を体験できるとあって、多くのカメラフォンが押し寄せていた。この「X100S」と「X20」は、既存の人気モデル「X100」「X10」の後継となる製品。ボディはどちらも前作を踏襲し、銀塩カメラのようなクラシカルなデザインになっているが、中身は「X100S」には「X―Trans CMOS II(APS-Cサイズ、1630万画素、ローパスフィルターレス)センサー、「X20」には「EXR プロセッサーII(2/3型、1200万画素、ローパスフィルターレス)」と新開発のセンサーを搭載し、コンパクトなサイズながら解像力向上と低ノイズ化といった高画質と、高速AFなど高速処理能力を実現している。
 
 さらに、「X100S」では、独自の光学ファインダー(OVF)と高精細236万ドットの電子ビューファインダー(EVF)を自在に切り替えて使える「ハイブリッドビューファインダー」を、「X20」では撮影情報を見やすく表示する「アドバンスト光学ファインダー」を搭載するなど、既存モデルでも評価されていた部分もさらにブラッシュアップされており、背面液晶で被写体を確認しながら撮影するスタイルがデジタルコンパクトカメラでは主流となっている中、ファインダーを覗きながら撮影するというスタイルにこだわった作りになっているという点においても、独自の存在感を放っていた。
 
  また同社のブースでは、先日発表されたコンパクトデジタルカメラの新製品も「FinePix F900EXR」「FinePix F820EXR」「FinePix Z2000EXR」「FinePix HS50EXR」「FinePix SL1000」と5機種全てが用意されており、富士フィルムのデジタルカメラに対する「攻め」の姿勢を感じることができた。

  それに比べ、一眼レフの新モデルが登場するのではないかと期待されていたキヤノン<7751>と、昨年のCP+では「D800」を発表し話題を独占した感のあったニコン<7731>といった、長くカメラ業界を牽引してきた2トップからは、派手な革新的新製品の登場はなく、どちらかといえば比較的「守り」のスタンスが感じられた。(編集担当:北尾準)