九州電力川内原発のある鹿児島県の知事に、熊本地震の影響を考え、川内原発は一時停止して点検の必要があるとしてきた三反園訓氏が現職を破り初当選したことから、日本経済団体連合会の榊原定征会長は「原子力規制委員会の審査を経て、安全面での支障がないことが認められ、『地元の理解を得たうえで』稼働しており、引き続き稼働していくことを期待している」と記者会見で語った。
榊原会長は原発について「原子力はエネルギー安全保障、経済性、環境適合性という観点から極めて重要なベースロード電源だ」とし「安全性の確保を大前提に、地元の理解を得て、ベースロード電源として活用していく必要がある」と強調。
そのうえで、川内原発について「今後、国ならびに関係者には新規制基準に適合した原発の安全性について、新しい鹿児島県知事、地元住民はもちろん、国民全体に丁寧に説明し、不安を取り除いてほしい」と要請した。
地元の理解について、政府は薩摩川内市と鹿児島県知事の同意を持って地元の理解を得たと判断しているが、原発から半径30キロ圏内すべての自治体の同意を得るのが合理的かつ現実的対応との声は強い。
地元新聞の西日本新聞社が参院選世論調査に合わせ、同県有権者1112人から回答を得たところ、川内原発の運転継続に49.9%が反対していることが分かったと6日付け電子版で報じている。賛成は45.9%だった。
昨年9月から通常運転している川内原発1号機は定期点検のため10月に停止することになる。昨年11月から通常運転している2号機についても、定期点検のため12月に停止の予定で、その後の再稼働に対し、安全性を理由に知事が反対すれば、再稼働に時間がかかることになりそう。(編集担当:森高龍二)