不適敷設に荻生田氏 ケーブル自身不具合でない

2016年07月02日 09:58

 不適切な原発ケーブルの敷設で火災発生時に安全機能が複数の系統で同時に失われる可能性も否定できない重大な問題に、萩生田光一官房副長官が「1900件というとびっくりしてしまうが、要は、ケーブルの敷設の在り方に問題があったということで、ケーブル自身に不具合があるということではない」などとびっくり発言した。

 萩生田官房副長官は「今後、安全確保がきちんとできたうえに、関係者のみなさんにはきちんと取り組んで頂きたいと願っている」と語ったが、原発の安全確保においてはいかなるミスも許されず「ケーブル自身の不具合ではない」などと、敷設の問題を軽く見るような表現に原発に対する安倍政権の姿勢との懸念する声もきかれる。

 6月30日の記者会見で語ったもので、記者団が、原子力規制委員会が原発管理の安全上、重要な電気ケーブルの敷設状況について全国の原発を調べたところ、2番目に重い保安規定違反が4原発で1973件あった。これについての所見をと求められて答えた。

 萩生田官房副長官は「昨年9月に明らかになった東京電力柏崎刈羽原発でケーブルが分離されていなかった事案を踏まえて、他の原発を調査した結果、新たに中部電力浜岡原発(静岡)と東北電力女川原発(宮城)、東京電力福島第2原発で『保安規定違反』(で2番目に厳しい違反2)に相当する不備が確認されたという風に承知している」と語った。

 そして「この規定違反は新規制基準の検査終了までに是正すべきものであって、稼働中の九州電力川内原発では不備は見つかっていない」とし「今回不備のあった原発については今後、検査などにおいて原子力規制委員会が是正状況を確認するものと承知している」とした。

 そのうえで、萩生田官房副長官は「1900件というとびっくりしてしまうが、要は『ケーブルの敷設の在り方に問題があったということで、ケーブル自身に不具合があるということではない』。今後、安全確保がきちんとできたうえに関係者のみなさんにはきちんと取り組んで頂きたいと願っている」と安全確保をきっちりするよう取り組むことを求めたものの、敷設の在り方に問題があったということでと軽微な問題のように語った。

 規制基準は安全上、重要なケーブルは複数系統設け、一般ケーブルと分離し、延焼を防止することを求めており、最も基本的、かつ重要な延焼回避策になっている。(編集担当:森高龍二)