ヤマハ発がマリンレジャー本格普及に向け上海ボートショーに出展

2012年05月01日 11:00

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ヤマハ発動機が「第17回上海ボートショー[中国(上海)国際遊艇展]」に出展。「Quality Time on the Water(水の上の、上質な時間)」というブーステーマを掲げ、ボート4艇、マリンジェット5艇、船外機6台を展示した。

 ヤマハ発動機が、2012年4月19日から22日の間に中国の上海市で開催された「第17回上海ボートショー[中国(上海)国際遊艇展]」に出展した。中国ならびに韓国における販売及びサービス体制の準備が整ったとして、昨年に比べて展示スペースを広げ、展示艇も大幅に充実させてマリンレジャーの魅力を訴求する。

 中国では2010年には中産階級が3億人に達したとみられ、プレジャーボートは、従来の富裕層から中間所得層を含めた大きな潜在需要を有するレジャー製品として注目されつつあるという。加えて、造船・自動車などで見られたように、中国における市場拡大速度はGDPの伸び率を遙かに上回るものであり、プレジャーボート市場においても近い将来、急速な拡大及びメーカー間の競争が予測されている。

 こうした中、ヤマハ発動機は、次期中期経営計画における事業規模拡大に向けた施策のひとつとして「新興国市場におけるマリン製品の販売拡大」を目指しており、今回のボートショーは東アジア地域における重要なイベントとして位置づけられている。本ボートショーでは「Quality Time on the Water(水の上の、上質な時間)」というブーステーマを掲げ、「SC390(国内名称EXULT36)」、「SR310(同NYTRO)」をはじめとするボート4艇、マリンジェット5艇、船外機6台を展示。さらに、すでに中国市場で品質が高く評価されているモーターサイクルや急激に市場拡大している電動バイクなど幅広い製品も同時に展示するなどし、地球上の様々なフィールドで「心を動かす乗りもの」の可能性を追求する同社独自の「モノ創り」の姿勢や多様性を紹介している。

 国土交通省の海事レポートによると、日本の舶用工業製品の平成 21 年の生産額は1 兆 1389億円と対前年比16.6%減となっている。その最も大きな要因は、プレジャーボート市場の縮小による船外機等の生産額減少によるもので、減少額の44.3%を占める程である。回復の兆しが見えない欧州市場、回復傾向にあるとはいえ依然低迷する北米市場。そうした中、新興国における需要増は、この減少をどこまで補い、拡大へと導くことが出来るのであろうか。今回の出展が、他の新興国での伸長をも加速させる端緒となり、日本の景気回復にも繋がるものとなることを期待したい。