多様な働き方実現へ年度内目途に実行計画 総理

2016年08月09日 07:16

安倍晋三総理は8日開いた経済財政諮問会議で「長時間労働の慣行を断ち切るとともに、『多様な働き方の実現に向けて』年度内を目途に実行計画を策定する」と働き方改革に強い意欲を示した。

 総理は「新内閣の最優先課題は経済」とし「経済対策を始めとするあらゆる政策を総動員し、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げていく。諮問会議の皆様にはアベノミクスのエンジンとしての役割を担っていただきたい」と協力を求めた。

 安倍総理は「GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ。この3つの的に向かって、一億総活躍の旗を一層高く掲げ、未来への挑戦を続けていく。最大のチャレンジは働き方改革」と強調した。

 安倍総理は「未来のあるべき経済構造を展望しつつ、今必要な改革に取り組むことが重要」とした。

 経団連の榊原定征会長、新浪剛史サントリーホールディングス代表取締役社長ら4人の諮問会議委員は「労働市場からの圧力が高まっている現下の環境を最大限に生かし、最低賃金引き上げ、賃金の引き上げ、生産性の向上、長時間労働の是正など労働市場の改革に取り組むべき」と提言。

 真の狙いは『年功序列型賃金カーブ』を是正し、生産性向上の観点から『仕事、役割、貢献度を重視した賃金制度』への移行を促す狙いで、同一労働同一賃金の実現はそのために不可欠との姿勢のよう。長時間労働の是正や休み方改革を進める中で、賃金が、より業績給や成功報酬的な性質を強めることになることが予想される。(編集担当:森高龍二)