国民の圧倒的多数の合意まで自衛隊とは共存

2016年08月10日 16:45

 日本共産党の志位和夫委員長は自衛隊と憲法9条の関係について、党創立94周年記念講演で「憲法9条(戦争の放棄規定)に照らせば、自衛隊が憲法違反であることは明瞭と考えている」とする一方、「国民の圧倒的多数が『もう自衛隊がなくても安心』という合意が成熟したところで初めて、憲法9条の完全実施にむけて本格的な措置にとりくむというのが日本共産党の立場」だと語り、国民の圧倒的多数の合意を得るまで自衛隊と共存することを明確にした。

 志位委員長は「改憲派がとなえる自衛隊の現実にあわせて憲法9条を取り払う方向での解決ではなく、世界史的にも先駆的意義をもつ憲法9条という理想に向かって、自衛隊の現実を改革していくことこそ政治の責任」と目指す方向が改憲派と違い、平和憲法が掲げる『外交努力』により「外交政策によって、すべての国と平和・友好の関係をつくり、日本を取り巻く平和的環境が成熟し、国民の圧倒的多数の合意が成熟するまで」自衛隊と共存する期間が続くとした。

 志位委員長は「かなりの期間、自衛隊と共存する期間が続くことになる」とした。志位委員長は日本を取り巻く安全保障環境と国民合意ができるまで共存することを是とし、この期間に「急迫不正の主権侵害や大規模災害など、必要に迫られた場合に自衛隊を活用することも含めて、あらゆる手段を使って国民の命を守ることは当然」とした。

 また「憲法違反とするわが党の立場に(自民、公明が)『失礼だ』といった問答無用式の攻撃をくわえたが(狙いは)野党共闘の分断をはかろうというもの。海外で戦争する国づくりを許していいのかという真の争点をそらし、覆い隠すことを狙ったものだった」と参院選での安倍晋三総理や山口那津男代表らの発言をけん制した。

 志位委員長は「問われているのは、専守防衛の志をもって入隊した自衛隊員を海外の殺し、殺される戦場に送っていいのかどうかだ」と提起した。(編集担当:森高龍二)