米の航行の自由作戦に自衛隊参加必要ない 防相

2016年08月06日 08:25

 稲田朋美防衛大臣は5日の記者会見で、米国が南シナ海で行っている「航行の自由」作戦に「南シナ海で海上自衛隊が米海軍等の各国軍隊との共同訓練や地域の安定に資する活動に積極的に取り組むことは重要と思うが、米国の『航行の自由』作戦に、今、自衛隊が参加する必要はないと思っている」とこれまでの政府の考えを改めて示した。

 航行の自由作戦は中国が領海と主張する人工島の12カイリを航行するもので、米国イージス駆逐艦が南シナ海問題への対応策として行っている。

 この日の会見では、稲田防衛大臣は憲法9条2項や憲法改正についての考えを記者団に聞かれ「憲法改正は衆参それぞれ3分の2の発議、最終的に国民投票法による国民投票の過半数という、非常に厳しい条件の下で変えていくもの。何より国民の皆様がここは変えるべきだというふうに思って初めて憲法改正というのは実現するし、まずは、国会の憲法審査会において、しっかりと議論されることが重要と思っている。私の個人的な憲法に関する見解を述べるべきではないと思っている」と答えた。

 稲田防衛大臣は憲法9条2項を国民はどう思っていると思うかと記者団に聞かれ「自分の見解を言う場ではないが、国民の皆様全体という意味においては、まだまだ平和安全法制然り、なかなか理解というか、皆様がそうだな、というところまでは、いっていないのだろう。そのためにも、しっかり国会で議論をする、議論をして、理解が深まったところから優先的に憲法改正の発議をやっていくということだろう」と答えた。(編集担当:森高龍二)