民進党の枝野幸男幹事長は30日の記者会見で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)について「4月から6月までの年金積立金運用損益が5兆円の赤字になったことが正式に明らかになった」としたうえで、民進党の指摘が正しかったことを示すものだとし、9月に召集される国会で問題提起していく考えを示した。
枝野幹事長は「安倍政権が運用比率を引き上げてからの通算でも運用損益が赤字になった」ことも指摘した。
また、幹事長として、この日が最後の会見になるとして、2年を振り返り「海江田万里代表から幹事長をと言われた時の意識としては、このままでは党がなくなってしまうという強い危機感があり、幹事長を引き受けた。2年間については色んな評価はあると思うが、民進党という形で発展的に前に進んで、この9月の党代表選挙でも、どうすれば政権政党に戻れるのかを議論できる状況にまで出来たと思っている」と幹事長として、海江田、岡田克也両代表の下で党勢立て直しに努め、一定の成果を自身として感じていることをうかがわせた。
また、さきの参院選挙の結果を踏まえ「地域でしっかり足腰を鍛えているところは1人区でも競り勝つことができた。政権政党になるには、選挙時の風頼みの政党から脱却することだと強く感じた」と身に染みて感じた様子だった。
そのうえで「これから総選挙に向けて、地域における地道な活動が一番大事」と強調した。
また、党勢とは関係なく、日本の社会が今、危機的状況にあると枝野幹事長は危惧した。枝野幹事長は「弱い者がさらに弱い者を叩くという社会に急激に加速している。強い危機感を持っている」と憂えた。
枝野幹事長は「強いものに媚びへつらい、弱い者に強く出るということが堂々と行われる社会になってしまっている」とし「民進党の新執行部は、この社会の風潮そのものと戦っていかないといけない」と重い課題を提起した。(編集担当:森高龍二)