リニアに財投 政府のリスク判断質す 岡田代表

2016年08月26日 10:29

 民進党の岡田克也代表は25日の記者会見で、リニア中央新幹線に国が財政投融資を活用し、3兆円をJR東海に融資することに「これだけの大規模事業に政府がどれだけのリスク判断を行ったのか、全く知らされていない」とし「後にこれが禍根を残すことにならないか、予算委員会でしっかり質していかなければならない」と政府のリスク判断などについて国会の場で質していくとした。

 リニア中央新幹線はJR東海が東京―大阪間(438キロメートル)を最速67分で結ぶ計画で2045年全線開業を目指している。安倍晋三総理は財投を使って、最大8年前倒しし、2037年に開業できるようにするとしている。

 JR東海は開業すれば「都心部間の実質的な所要時間は航空機の約半分に短縮される。また超電導リニアの場合、区間移動する際の1人あたりの二酸化炭素排出量は航空機の3分の1程度になる」と地球環境にも優しいとしている

 岡田代表は「JR東海が自らのリスクでリニア中央新幹線を行うというのであれば国が何かを言うことはあまりないと思うが、財投を使うとなると、国としてしっかり判断しなければならない」と指摘。

 「難工事で時間がかかるとか、採算が取れないとか、そういったことになれば、最終的に(財政投融資で融資したものが)かえってくるのか、税金投入で補わなければならないということも考えられないわけではない」と提起。「確実にかえってくるかどうかの精査は政府としてしっかりやる必要がある」とどのようなリスク判断をしたのか質すとした。

 また記者団がリニア新幹線に財投資金が入ることで、ここに駅をつくれ、など、政治介入することにならないか懸念されるが、野党はちゃんとチェックしていく必要があるのではないかと投げたのに対しては「政治が介入しやすくなるのは事実だ」としたうえで「変な介入にならないようにチェックする。同時にJR東海もある程度覚悟して財投を受け入れたと思う。ただ、一番の問題は、確実に返済されるという判断を誰がし、その責任はだれがとるのか。国交大臣か、財務大臣か、閣議決定なので内閣全体としてということだろうが、そういう所での説明も全く受けていない」と事業に反対しているのではなく、国としての責任を明確にしておく必要がある旨を強調した。(編集担当:森高龍二)