自民憲法草案は天賦人権説否定と問題視 野田氏

2016年09月25日 16:14

 民進党の野田佳彦幹事長(前総理)は25日のNHK番組で、憲法改正への対応を問われ「現行憲法が戦後果たしてきた役割は大きい」とし「平和主義、基本的人権の尊重、主権在民という理念は未来にも、きちんとつなげていかなければならない」と強調した。

 野田幹事長は「その中で(現行憲法に)足らざるものがあるならば、それは改正をするという立場だ」とした。

 そのうえで野田幹事長は自民党の憲法草案について「今、改正草案は自民党内ではどういう位置づけなのか。自民党の憲法草案は国民の権利を軽んじ、(すべて人間は生まれながらに自由、平等であり、幸福を追求する権利を有するとする)天賦人権説まで否定しているような、国中心の、国のあり方を変えるとしか思えない憲法草案だ」と強く問題のある草案だと指摘した。

 そして「憲法改正が、こういうものを実現するためにやるのであれば、この憲法草案を撤回するところから始めないと議論は粛々と進められない」と指摘した。

 これに対し、自民党の二階俊博幹事長は「野田さんの考えはよくわかったが、われわれは、これを撤回する気はない。修正について、われわれもゆとりも持っていないといけないと思うが、撤回するところまでは考えていない」と答えた。

 与党の公明党・井上義久幹事長は「衆参にある憲法審査会の議論を促進することから始める。審査会での議論を通じて、国民的議論を深めていく事が大事」とした。また、党内において「加憲の立場から、何を加えるのか、党内議論をスタートさせたい」と語った。

 日本維新の会の馬場伸幸幹事長は「すべての教育を無償化することを憲法に加える。また、一極集中の日本の統治機構を変えていくための改正、そして憲法裁判所の設置をめざしたい」とした。(編集担当:森高龍二)