日本経済団体連合会の榊原定征会長は正副会長会議の審議結果だとして、政治献金について「行うかどうか、寄附先をどこにするかは会員企業や団体の自主的判断」としながらも「社会貢献の一環として重要性を有する」として「自主的な判断に基づき、自由主義経済のもとで企業の健全な発展を促進し、日本再興に向けた政策を進める政党への政治寄附を実施するよう呼びかけている」と12日までの会見で表明した。
また、自ら政府の主要会議「民間議員」として参加し、いわば、安倍内閣とは二人三脚で経済政策を進めているように見える中、政党評価については、当然ながら「自由民主党を中心とする与党は、内政・外交両面において強力に政策を推進し、成果を上げており、高く評価できる」と評した。
基準は「経団連が行っている政策提言がどの程度進捗しているか、経団連の事業方針と照らし、主として与党の実績などを検証」しており、安倍政権が経団連の提言に沿った政策をいかに進めてきたかを浮き彫りにする格好にもなっている。
一方で、政治と政治献金との関係から「政策を金で買う」との批判に対しては「批判はまったくあたらない」と反論している。
榊原会長は「民主政治を適切に維持するためには相応のコストが必要であり、企業の政治寄附は社会貢献の一環として行うものである。政策評価の評価項目中に経済界へ利益を誘導するような政策は一切ない」と主張。
「震災からの復興、GDP600兆円経済の実現、科学技術・イノベーションの推進、経済連携の加速など、いずれも日本全体を良くするための国策である」とし「こうした重要課題に対して政府・与党がどのように取り組み、何を実現したかを評価するのであり、経済界へ利益を誘導しようという考えはまったくない」としている。そのうえで、「内外の重要政策課題を強力に前進させていくため、これまでにも増して、政治との連携を強化していく」姿勢。
政治献金が政治と特定企業や団体との癒着の温床になる危険があり、リクルート事件などを契機に、企業団体献金をなくす代わりに、国民一人当たり、コーヒー1杯分(制度創設の1995年当時の250円)のお金を、と税金からの捻出で、政党助成金制度を設けた経緯があり、現在2重取り構造になっていることから、政党助成金制度創設目的に反するとの批判も出ている。政治とカネ、企業団体献金や政党助成金の在り方は改めて、国会でも議論されるべき時期に来ている。制度スタートからすでに交付された政党助成金は6000億円を超えている。(編集担当:森高龍二)