石破茂前国務大臣が次期米大統領にドナルド・トランプ氏が選出されたことの最大の要因が「米国の格差社会」(資産格差、所得格差)だとする旨を11日のブログに書いた。
石破氏は「合衆国内の資産格差は上位1%が保有する金融資産が下位90%の総量よりも多く、その差が近年急速に拡大しつつある、という日本では考えられないもので、所得もまた同様の傾向にある」と指摘。
そのうえで「トランプ支持層と言われた白人非エリート層のみならず、クリントン支持と言われたマイノリティや女性層にまで浸透した背景には、それがあるものと思われます」と書いた。
また「政界中枢も、ウォール街も、大手メディアも皆で今の状況(格差社会)を作り出したのではないか、その象徴的な存在としてヒラリー・クリントンが位置付けられたのでしょう」との見方を示し「トランプ氏自身も大富豪なのですが、今の米国の格差社会を作るのに加担はしてこなかったので、広く受け入れられたのかも知れません。格差拡大は日本も他人事ではありません」と格差が拡大し続ける日本の現状にも懸念を示した。
格差問題では、菅直人元総理も「日本にも格差拡大など不満が拡大している。こうした不満が拡がれば、日本社会もアメリカのような社会的分断や排外主義が高まりかねない」と懸念をブログに書き込んだ。そして「社会的分断を是正する政策を、しっかり実行しなくてはならない」と提起している。(編集担当:森高龍二)