ICT・メディアがあらゆる産業や日常生活に多大な影響を及ぼす

2016年11月25日 08:29

画.4割以上の人か_ネットから離れたいと思うことか_ある SNSて_はLINEやTwitterに中毒性

ICT(情報通信技術)・メディア市場は、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)などの技術が進化・活用される中で、さまざまな構造変化が起きている

 ICT(情報通信技術)・メディア市場は、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)などの技術が進化・活用される中で、さまざまな構造変化が起きている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、インバウンド市場の拡大やスポーツ・健康意識の高まり、建設業界の活況、車の自動運転への取り組み強化など、ICT・メディアがあらゆる産業や日常生活に多大な影響を及ぼしつつある。

 野村総合研究所(NRI)<4307>は、2022年度までのICTとメディアに関連する主要5市場(デバイス/ネットワーク/プラットフォーム/コンテンツ配信/ソリューション)について、国内と一部世界における動向分析および市場規模の予測を行った。

 デバイス市場は、これまでデバイス市場をけん引してきたスマートフォン、タブレット端末は、普及率の上昇、新興国向け販売比率の拡大などにより、2022年度に向かって台数ベースの市場成長率の鈍化と価格下落が続く。世界の携帯電話端末(スマートフォンを含む)の販売台数は、2014年度の19億8,800万台から2022年度には22億7,700万台へとゆるやかに成長する。

 タブレット端末の販売台数は、世界では2015年の2.2億台から2022年には2.8億台へ、国内では2015年の770万台から2022年には990万台へ増加すると予測している。

 ネットワーク市場は、携帯電話の契約回線数は、タブレット端末および通信モジュールが組み込まれた機器の増加、多様なMVNO(Mobile Virtual Network Operator、仮想移動体通信事業者)の登場などにより、2015年度の1億5,405万回線から2022年度には1億7,789万回線に増加する。

 国内の固定ブロードバンド回線の加入件数は、2015年度の3,470万件から、2022年度には3,691万件に達するという。その中心となる光回線は、市場の約7割のシェアを保有するNTTが「サービス卸(光ファイバー回線を他企業が自社のサービスとセットで提供できるようになる回線の卸売りサービス)」を開始したことにより、今後、通信事業者に限らず、多様なプレイヤーが通信サービスに参入し、市場全体が活性化する。

 プラットフォーム市場は、B2C EC(企業と消費者間の電子商取引)市場は、2015年度には15.4兆円となり、2022年度には26兆円に達する見込み。携帯端末の普及に伴い、自宅のパソコンからだけではなく、時間や場所を問わずにECを利用できるようになってきたことが、市場の成長を後押しするとしている。

 コンテンツ配信市場は、動画配信市場は、携帯電話事業者が自社端末向けに提供するサービスの普及や、2015年9月にサービスを開始した米国の大手動画配信サービスであるNetflix(ネットフリックス)など、月額固定料金で豊富な映像コンテンツを視聴できるサービスの利用拡大にともなって、2015年度の1,531億円から2022年度には2,188億円に成長するとしている。

 ソリューション市場は、スマートフォンなどのスマートデバイスによるヒト・モノの情報武装化、およびネットワークの高速化とデータ分析技術の発展等により、IoT市場は2015年の5,200億円から2022年には3.2兆円の規模に至るという。データセンター、クラウド市場は、2022年度まで引き続き堅調に拡大していく。ソリューション市場の中では、増大するサイバー攻撃などの脅威により、情報セキュリティ市場がますます拡大していくという。(編集担当:慶尾六郎)