Amazon、IoTを席巻の勢い エッジ向け新サービス次々と投入へ

2016年12月15日 08:19

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米Amazonの子会社、米Amazon Web Services(AWS)の年次イベント「AWS re:invent 2016」で数多くの新サービスが発表された

 米Amazonの子会社、米Amazon Web Services(AWS)の年次イベント「AWS re:invent 2016」が11月29からの4日間で開催され、数多くの新サービスが発表された。従来からあるサービスについて利便性向上を図ったものやライトユーザー向けのサービス、AIを採用したサービスやデータの物理輸送サービスなど目新しいものが多かった今回の発表だが、なかでもIoTを意識したサービスがダイレクトに一般消費者へ影響を与えそうだ。

 先日、日本でもサービスを開始した日用品のワンタッチ追加注文デバイス「Amazon Dash Button」の活用可能性に注目が集まっているが、これを元にしたIoTデバイス「AWS IoT Button」が登場した。同デバイスは、AWSに接続して主要サービスと連携することで、さまざまなサービスのキューとして活用できる。例えば、ボタンを押すと即座にカスタマーサービスから連絡がくるようなサービスの開発が可能とのこと。

 ほかにも「AWS IoTスターターキットとSDK」や「AWS Greengrass」といったIoT時代の新たなステージを意識させるようなサービスが発表された。IoT製品の開発は、通信モジュールやプラットフォームなどに関する幅広い知識を有していないと、スタート地点にも立てないと考えられてきたが、スターターキットではモジュールがすでにAWS IoTへ接続された状態で提供される。これらを活用することで、初心者が簡単に痒い所に手が届くIoT製品を開発できる。また、AWS Greengrassでは、パブリックなネットに繋がっていないローカル環境でもセンサーなどからの受信データの高度な処理を実現する。

 サービス数が増加しすぎていることもあり、従来からのユーザー以外には「複雑で入りづらい」と捉えられがちなAWSだが、本来は多様な処理の連携が可能でIoTとの相性はよい。今回AWSはIoTに注力し、さらにライトユーザーの参入障壁を低くすることで、今後爆発的に拡大すると予想されるIoT市場の末端までプラットフォームに取り込みたい考え。日用品購入から生活に必要なサービスの管理、情報収集に至るまで、実生活の隅々までAmazonのデバイスに依存する時代がくるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)