日経平均始値は51円高の19453円。高値は10時26分の19486円。安値は2時24分の19404円。終値は65円高の19467円。取引開始前に消費者物価指数(CPI)が発表された。12月全国は-0.2%で10ヵ月連続のマイナス。市場予測より0.1ポイントだけ良かった。1月東京都区部は-0.3%。全国の2016年通期は-0.3%で4年ぶりのマイナスで、デフレ脱却の道いまだ遠し。月末の金曜日だが、有効求人倍率や失業率や鉱工業生産指数は31日に発表される。
TOPIX始値は1550をオーバーしたが日経平均始値は19500円に届かず、浮かれたムードもなく落ち着いたスタート。19400円台の2ケタのプラス圏で売り買いが交錯し、19450円を軸に前場はずっとアップダウンが続く。19500円には届かないが、マイナスにも落ちない。2017年度の公的年金支給額は0.1%の引き下げで3年ぶりの減額。社会保険の負担額引き上げ、支給水準引き下げは現役世代の不安をあおり個人消費を冷やすバッドニュース。ドル円は114円台半ば。前日は円高でも派手に上昇した分、この日は円安でも上昇が抑えられて、微妙なバランスをとっているかのよう。前引けは71円高。TOPIXもプラスで日銀のETF買いはまず望みなし。
昼休みにドル円が115円にタッチする円安進行があったが、後場の日経平均は前引けより2円だけ高く再開。19400円台後半で前場よりも値動きが小さいが、1時台はジリジリ値を下げ、2時前になって急落し安値を更新する。それでもプラスは維持。2時に日銀から12月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日銀版CPI)」が発表され、前年同月比+0.1%で11月の+0.2%から伸び率が縮小した。これは総務省のCPIから原油価格の変動の影響を除いたもの。2時台は19400円台前半の値動きで19500円は遠い。終盤は19400円台半ばから前半に値を下げて「やはり利益確定売りの金曜日か」と思わせたが、その裏をかくように大引け間際、ピンとはね上がって終了した。TOPIX終値は1550には届かなかった。
新規IPOが1件。マーケティングクラウドサービスの企画・開発・販売・導入、マーケティングに関わるコンサルティングおよびサービスを手がけるシャノン<3976>が東証マザーズに新規上場。大引けまでに初値がつかず、公開価格1500円の2.3倍の3450円の買い気配で終了した。1月はこの1件のみで、翌営業日持ち越しの人気。次の新規IPOは2月10日の安江工務店<1439>。
日経平均終値は65.01円高の19467.40円、TOPIX終値は+4.24の1549.25。売買高は19億株、売買代金は2兆4304億円。値上がり銘柄数は1003、値下がり銘柄数は857。プラスは20業種で、その上位は鉱業、ゴム製品、空運、石油・石炭、銀行、保険など。マイナスは13業種で、その下位は海運、鉄鋼、その他金融、証券、倉庫、輸送用機器など。上海市場は春節(旧正月)休暇で休場。
今週の星取は3勝2敗。前週末20日の終値19137.91円から329.49円上昇して今週の取引を終えた。週間騰落は3週間ぶりにプラスになった。
25日のウォール街は「ダウ2万ドル達成カーニバル」に沸き、踊る大紐育。そのムードは兜町にも波及して「今度は日経平均が2万円に到達する番だ」と26日は商いも盛り上がり、344円高と年明け最大の上昇幅になった。気分が感染して「春のダウ2万ドル突破まつり実施中」になるとはいかにも「単細胞」に見えるが、「毎日、キツネとタヌキの化かしあいのような〃謀略戦〃に神経をすり減らすばかり。たまには、こんな楽しいことでもなければ、やってられないよ」というのが、市場参加者の偽らざる気持ちか?
思い返せば2012年11月からおよそ半年間の「アベノミクス相場初期」も、こんなお祭りムードだった。今ではなつかしい「アベノミクスの青春」は2013年5月23日をもって突如「楽園追放」の憂き目にあい、東京市場はその後、約半年間「東の荒れ野の苦役」を強いられたが、「トランプ・ラリー・アゲイン」の行く末も、そうなる運命だろうか?(編集担当:寺尾淳)