「大発会」の4日の日経平均は4営業日ぶりの大幅反発。海外市場も2016年最後の取引だった12月30日、ヨーロッパ市場は揃ってプラスで終わったが、NYダウは57.18ドル安の19762.60ドルで3日続落して終了。年間騰落は+13.4%で2年ぶりのプラスだったが、2万ドルの大台は手が届きそうで遠かった。NASDAQもS&P500もマイナス。シカゴ購買部協会景気指数が市場予測よりも悪く、原油先物も53ドル台で終了。NY時間のドル円は117円近辺、ユーロ円は123円近辺。大阪先物夜間取引終値もCME先物清算値も19040円だった。
1日未明、トルコのイスタンブールで新年祝賀パーティー中のナイトクラブにテロリストが乱入し無差別に銃を乱射。39名死亡。1日発表の中国の国家統計局の12月のPMIは、製造業が51.4で前月比0.3ポイント低下、非製造業は54.5で0.2ポイント低下だが、50台は維持。3日発表の中国の財新の12月の製造業PMIは51.9で11月の50.9も市場予測の50.7も1ポイント以上、上回った。3日の上海市場は1.04%高。ヨーロッパでは、ドイツの12月のCPIは+1.7%で失業率は6.0%の横ばいだったがDAXは小幅マイナス。フランスCACはプラス。ロンドンFTSEは6営業日続伸した。
2017年最初の取引だった3日のNYダウ終値は119ドル高。NASDAQもS&P500も揃って大幅反発。アメリカの12月のISM製造業景況感指数は54.7で前月比+1.5ポイント。2014年12月以来2年ぶりの高水準で市場予測も上回った。11月の建設支出は+0.9%で10年7ヵ月ぶりの高水準。中国、アメリカの経済指標が好調な上に、直前の原油先物価格が時間外取引で1年半ぶりの高値の55ドル台まで高騰し、年明けのダウは3ケタ高で開始。原油先物が52ドル台まで下落するとプラス幅を急速に縮小するが、それでも終盤に盛り返して3ケタ高で終えた。
アメリカでは新大統領より先に、連邦議会が11月に選出された議員に入れ替わり上下両院とも共和党優勢の新議会が発足。さっそくオバマケア撤廃法案の審議入り。トランプ次期政権の経済政策の〃仮想敵国〃といえばメキシコと中国。フォードはメキシコの新工場建設を白紙に戻した。トランプ次期大統領はGMのメキシコ生産車に高関税を課すと発言し、USTR代表に対中国強硬派の人物を起用した。金先物は反発。アメリカの長期金利は上昇。為替のドル円はロンドン時間に118円前半、NY時間に118.60円まで円安が急進し、トリ年だけに空高く飛ぶのかと思いきや、4日朝方はドル円117円台後半、ユーロ円122円台前半に落ち着いた。CME先物清算値は19320円。大阪先物夜間取引は休場。
日経平均始値は184円高の19298円。高値は終値で「高値引け」。安値は9時1分の19277円。終値は479円高の19594円。2014~2016年は3年連続マイナス。昨年は582円安だった大発会の日経平均は3ケタ高、19300円にごく近い水準で始まる。TOPIXも2ケタ高。1分後に安値更新の後、序盤は19300円台に乗せる。為替のドル円が円安方向に動くと9時台のうちに19400円を突破し、ドル円が108円にタッチした10時台は日経平均は19500円にもタッチという高値追い。前日比で400円近い上昇で終値ベースの昨年来高値更新。今年の大きいリスクの一つ、中国の上海市場はマイナスで始まってプラスに転じる。11時台の日経平均は19500円台で高値を更新しながら推移し、前引けは415円高。日銀のETF買いの新年「初荷の蔵出し」はお預け確実。
昼休みにドル円は再び118円を割り込み、後場は上昇幅を圧縮して再開する。19500円台も一時割り込むが、それでもプラス幅は350円以上。後場も、日銀買いが入らなくても徐々に高値追いするパターン。1時台には19500円台後半に水準を上げて、2時台には19600円に迫り、ザラ場ベースの昨年来高値も更新した。ドル円は118円前後でウロウロするだけで、為替レートでも日銀でもないリスクオンの推進力が作用する。その主役は年末に「掉尾の一振」を大空振りさせた海外投資家。終盤ようやく為替が円安方向に少し動くと、日経平均は19600円には約6円及ばないものの高値引けになった。TOPIXは高値引けではないが1550台回復。2013年以来4年ぶりの大発会プラスで、大発会としては21年ぶりの上昇幅。「1年の計は大発会にあり」と言うなら、上々の年明けだった。
2016年の日経優秀製品・サービス賞を「ポケモンGO」が受賞した任天堂<7974>は0.24%安。「セレナ」が受賞した日産<7201>は2.21%高。年末の「掉尾の一振アノマリー殺し」の〃A級戦犯〃東芝<6502>は2.01%安で終えた。
日経平均終値は479.79円高の19594.16円、TOPIX終値は+35.87の1554.48。売買高は23億株、売買代金は2兆6851億円。値上がり銘柄数は1851、値下がり銘柄数は121。全33業種がプラスで、上位は海運、鉄鋼、パルプ・紙、証券、ガラス・土石、非鉄金属など。上海総合指数は0.73%高だった。
5日の日経平均は反落。ユーロ圏の12月の消費者物価指数(HICP)速報値は+1.1%。ヨーロッパ市場は軒並み高。NYダウは60ドル高でNASDAQもS&P500もプラス。ダウは一時マイナスにタッチしたが、午後は尻上がりに上昇した。原油先物価格はクウェートの減産準備報道があり小幅上昇で終値53ドル台。12月のアメリカの新車販売台数はビッグスリーはGMプラス、フォード横ばい、FCAマイナスで三者三様だが、日本勢は軒並みプラス。2016年トータルでは過去最高。1年ぶりの利上げを決めた12月13、14日開催分のFOMCの議事要旨は、トランプ政権の経済政策は「不確実」としながら景気上ブレリスクを意識し、利上げペースの加速も示唆するような内容。新駐日大使にボストン・コンサルティング出身のハガーティー氏が就任する報道。バレンタイン元ロッテ監督ではなかった。アメリカの長期金利が下落し、朝方の為替レートはドル円が117円台前半でやや円高。ユーロ円は123円台近辺。大阪夜間取引終値は19660円。CME先物清算値は19625円。
日経平均始値は7.94円高の19602円。高値は9時32分の19615円。安値は2時20分の19473円。終値は73円安の19520円。東京のお天気は「寒の入り」らしい寒さで、取引開始前にドル円が116円台半ばまで突然のような円高進行。朝から真冬の寒風が吹きつけるが、派手に上がった前日大発会の熱気の余熱なのか日経平均は小幅プラスで始まる。19500円台後半のマイナス圏に落ちてもすぐに盛り返し高値更新。TOPIXはプラスの時間帯のほうが長い。その後は前日終値付近の小動き。ところが為替の円高が止まらず10時前からドル円が116円台前半まで進行すると、日経平均は19500円台半ばまで急落する。中国の12月の財新の非製造業PMIは53.4で前月比0.3ポイント上昇。マイナスで始まった上海市場はプラス転換。日経平均は10時台に19590円近くまで戻すが、11時台には再び19500円台半ばまで下げ安値更新。為替のドル円は10時台からずっと116円台半ばの小動きだが、日経平均は落ち着かず安値をたびたび更新して前引け。日経平均は49円安でもTOPIXはプラス。後場に日銀のETF買いの新年「蔵出し、初荷」が入るかどうかは、微妙なところ。