【今週の振り返り】春の2万ドル突破まつり実施中で329円上昇の週

2017年01月28日 20:11

0205_004

日米とも「業績相場」になるはずが、毎日、小出しにされる大統領令で「トランプ・コンシャス」な状況継続。それでも「トランプ慣れ」かダウは2万ドル

 23日の日経平均は4営業日ぶりに反落。前週末20日はトランプ新大統領の就任式だった。約20分の就任演説で「アメリカ・ファースト」を強調したがサプライズはなし。初日にTPP離脱やオバマケアの見直しを行った。NYダウ終値は94ドル高で6営業日ぶりの反発。NASDAQもS&P500もプラス。ヨーロッパの株価は英国はマイナス、ドイツ、フランスはプラスだった。企業決算はAMEXは悪かったがGE、IBMは良く、原油先物は上昇して終値52ドル台、金先物も上昇した。アメリカ長期金利は上昇したが、NY時間の為替レートはドル円が114円台後半、ユーロ円が122円台後半でややドル安。大阪夜間取引終値は19090円、CME先物清算値は19135円だった。週末は世界の主要都市で反トランプのデモ行進があった一方、ドイツのコブレンツでは、フランスのルペン国民戦線党首などヨーロッパ各国の極右政党のトップがトランプ大統領の就任祝いを兼ねて全員集合し、「欧州の選挙の年」に向けて〃怪気炎〃をあげた。23日朝方、為替レートはドル円が114円割れ、ユーロ円が122円割れを起こし、にわかに円高が進行した。

 日経平均始値は199円安の18938円。高値は2時1分の19024円。安値は9時21分の18879円。終値は246円安の18891円。直前の為替の円高を受け、8時45分に始まった日経平均先物日中取引は19000円を割り、嵐の予感。日経平均現物も19000円を割り込み約200円安で始まる。TOPIXも2ケタのマイナス。序盤は18900円をたびたび割り込んで安値を更新する軟調。10時台、為替のドル円は113円台半ばまで円高が進行するが、日経平均は底堅く19000円にあと11円まで持ち直す。しかし11時台には18900円そこそこまで後退し、前引けは203円安、TOPIXは2ケタ安。そのおかげで日銀のETF買いが入る条件を十分に満たした。

 後場は前引けよりもやや安い水準で再開するが、ドル円が少しだけ円安方向に振れたので18900円を割ることがなくなり小動き。1時台後半から徐々に下げ幅を圧縮し2時までに19000円にタッチする。為替の円安も徐々に113円台後半まで進んだ。2時に内閣府から11月の景気動向指数改定値発表。一致指数は速報値から0.1ポイント下方修正され、前月比1.5ポイント上昇の115.0。先行指数は前月比2.0ポイント上昇の102.8。景気の基調判断は「改善を示している」で据え置き。同じく2時に発表された全国スーパー売上高は、12月は既存店ベースで-2.0%で3ヵ月ぶりのマイナス。2016年通年は-0.4%。2年ぶりに前年実績を下回った。夏場の天候不順や秋の季節はずれの猛暑などお天気に泣かされた。2時台はマイナス圏で19000円をはさんでもみあうが、終盤になると為替が一転、113円台前半まで円高急進。日経平均も急落して18900円を割ってこの日の安値圏で大引け。最後の最後で先物主導の仕掛け売りを大量にやってきた。その背景には27日の日経平均採用225銘柄からのミツミ電機<6767>の除外と大塚HD<4578>の採用という指数銘柄入れ替えの影響があるという。ミツミ電機は採用銘柄の権利付き最終売買日。あおりで3営業日ぶりに入った日銀買い703億円の効果は見事に雲散霧消してしまった。

 シャープ<6753>は、鴻海主導でアメリカに約8000億円を投資して液晶パネル工場を建設すると報じられ2.69%高。トランプ新政権の「アメリカ・ファースト」の流れに逆らわなければ再起への道は開ける、か?

 日経平均終値は246.88円安の18891.03円、TOPIX終値は-18.83の1514.63。売買高は17億株、売買代金は2兆2005億円。最終盤に大量売りで2兆円台に滑り込み。値上がり銘柄数は375、値下がり銘柄数は1554。プラスは金属製品1業種のみ。マイナスは32業種で、その下位はその他金融、保険、不動産、輸送用機器、小売、精密機器など。上海総合指数は0.44%高だった。

 24日の日経平均は大幅続落。トランプ新大統領はTPP離脱の大統領令に署名した。日本など12ヵ国の協定は発効不可能になった。NAFTAも再交渉。新政権のそんな保護主義への警戒感に、減税や財政出動の具体策がなかなか出ないいらだちが世界のマーケットをおおい、ヨーロッパ市場は揃って下落。週明けのNYダウは27ドル安で反落。NASDAQもS&P500も小幅反落した。原油先物価格は下げて52ドル台。リスクオフで金先物は続伸。企業決算はさえず、エネルギー関連のハリバートンは北米では良くても最終赤字拡大。マクドナルドはEPS(1株あたり利益)こそ市場予測を上回ったが、減収減益、アメリカ国内の既存店売上高-1.3%で株価は下落。アメリカ長期金利は低下し、朝方の為替レートはドル円は3営業日ぶりの112円台半ば、ユーロ円は121円台前半までドル安円高が急進した。大阪夜間取引終値は18860円。CME先物清算値は18895円。

 日経平均始値は73円安の18817円。高値は10時38分の18915円。安値は2時15分の18783円。終値は103円安の18787円。政府の月例経済報告は景気判断据え置き。シドニー・ウェリントン市場での為替の円高急進を受けて安く始まり、序盤で18800円を割りかけるが、そこから反発開始。9時台は上下に振れながら18800円台半ばまで回復する。東京外為市場では円安に振れてドル円が113円にタッチし、10時を過ぎると日経平均はにわかにプラスに浮上し18900円を超える。しかし10時台後半には再びマイナスに沈み、18800円台後半の小動きで前引け。マイナス幅がTOPIXは4.28とけっこう大きいが日経平均は13円と小さいので、日銀のETF買いが入るかどうかは、ちょっと微妙。

 昼休みにドル円は112円台で円高方向に動き、後場は前引けより一段安、18800円台前半の水準で再開する。1時台はドル円が円安方向に変わって18800円台の半ばから後半に上がるもののマイナス圏から抜け出せない。2時を回るとまるで電池が切れたように急落し18800円も割り込んでこの日の安値を更新する。ドル円は112円台後半で為替の円高が急進したわけではなく、先物の仕掛け売り。金融関連セクターがボロボロ下げた。最安値を底に18850円付近まで値を戻したかと思えば大引け直前は2日連続の急落を喫し、18800円を割り込んで安値圏で終了。仕掛け売りと押し目買いが交錯して乱高下を繰り返すという、せわしない午後だった。

 日銀のETF買い703億円は入らなかった。1月は703億円のほうは6回買い入れし、あと1回で4921億円になり、別口の「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」の12億円×14回=168億円との合計で年6兆円の月割り5000億円をオーバーする。1月の営業日はまだ5日もあるので、見送った模様。