民進党の蓮舫代表は30日、参院予算委員会での質疑を終えての記者会見で「長時間労働の上限について、(マスコミが一斉に報じたところでは)繁忙期で100時間、あるいは2カ月連続80時間だったので『過労死ラインをほぼ認める方向で検討しているのか』と確認したのに、総理は全くお答えにならなかった」と総理の、本気度に疑問を呈した。
蓮舫代表は「私たちの法案の中身を否定するのであれば、まず政府が責任をもって数字を明示するべきであるし、法案をいつまでに出すと明言すべき」と述べた。
安倍総理は「時間外労働に上限を設ける法案については有識者会議が収れんし、準備が整い次第国会に提出したい」と答えたが、法案を今国会に提出するかどうかを蓮舫代表に強く確認されても、総理は提出するとは答えなかった。
また蓮舫代表は、天下り問題についても安倍内閣になって特殊法人や独立行政法人に省庁の事務次官や官僚の天下り、再就職が目立つと指摘したことに、安倍総理が事業の継続性があるなどと説明したことに「まったく納得できなかった」と語った。
蓮舫代表は「事業の継続性が官僚や事務次官でなければなぜ担保できないのか。官の植民地化、官の肥大化、税金の公務員とOBへの還流は絶対にあってはならないので、民間のトップを充て、民間的手法で経営改善、税金の無駄遣いの抑制を私たちは行ってきた。それをまた先祖返りさせたにすぎないので、現政権の行革に対する鈍感さは今日の質問のなかでは正直あきれた」と政府の姿勢を強く批判した。(編集担当:森高龍二)