生活費やお小遣い稼ぎのために副業をしているサラリーマン諸氏も多いのではないだろうか。従来の飲食店や工場などでのアルバイトに加え、近年ではFXや株式投資、更にアフィリエイトといったネットでの副業も注目されている。また、クラウドソーシングの台頭によって仕事を自宅で簡単に受注できるシステムも整ってきて、副業人口は増加傾向にある。
政府も「働き方改革」の一環で副業や兼業の推進を検討しており、今後ますます副業への関心が高まっていくのではないかと思われる。副業を認める、あるいは副業したい人材を採用する企業も出てきた。
大手製薬会社であるロート製薬<4527>は2016年4月より従業員が就業時間外や休日に副業することを認めるよう社内規定を変更。ソフトウェア開発のサイボウズ<4776>は副業したいサラリーマンを対象に募集を開始する。同社は2012年から自社の社員に対して副業を容認してきたが、今回はじめて副業希望者を採用するに至った。専門性が高い人材を確保することが狙いだ。
一方中小企業では副業を認めないという方針を持ち続けている所も多い。東京商工会議所の調査では「現在、そして今後も副業・兼業を認めない」と回答した企業は43%だったという結果を発表。「従業員の長時間労働・過重労働を助長するから」「情報漏えい、利益相反に繋がるから」「他者に引き抜かれる可能性があるから」といったことが主な理由だ。
確かに情報漏えいや引き抜きのリスクも考えられる。これは従業員のモラルに依存せざるを得ない状況であろう。他にも本業へ集中出来ないという弊害も考えられる。しかし、定期昇給や終身雇用といった従来の雇用制度が変化する中、1社に依存せず個人がスキルを伸ばし、どのような状況になっても食えるような状況を整えておくことも必要だと感じる。
副業が禁止されている企業に所属している場合はもちろん規則に反することはすべきではないが、容認されているのであれば将来に備えて副業をし、スキルを磨くことも人生を豊かにする1つの手段として検討してはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)