シード・プランニングが発表した携帯電話の世界市場動向調査によると、世界市場でスマートフォン加入数は%2016年末に携帯電話加入者数の46%となる37億4600万、2017年には全携帯電話単年販売台数24億3200万台の内、約52%の12億6000万台がスマートフォンになると予想されている。NTTドコモがディズニーモバイルからスマートフォンを発売するのを筆頭に、近時発表される新機種もその多くがスマートフォンである。
携帯電話市場だけでなく、半導体市場をもけん引するスマートフォンやタブレット端末であるが、近時では、その周辺機器やサービスにまで波及し、その市場を拡大している。
日立マクセルから、利用の拡大により電源不足の場面が増える状況をうけ、モバイル充電カバー「Mobile VOLTAGE」が発売。一度の充電で、本体のみならず充電カバーの充電も可能で、約2倍の動作時間を実現している。また、サンワサプライからは、リング状にして身につけられるiphone・スマートフォン対応のUSBケーブルが発売されるなど、周辺機器での商品展開は拡大の一途を辿っている。
また、スマートフォン向け放送局「NOTTV」が2012年4月に開局される。ワンセグの約10倍の画質で、リアルタイム視聴から好きな時に楽しめるシフトタイム視聴までフレキシブルに放送を楽しむことができ、同じ画面上で連動したSNSも利用することが出来るという。スマートフォンの爆発的普及がもたらした波及市場の最たる例と言えるであろう。さらに、「NOTTV」開局にあたり、ソニーが撮影・収録・編集・字幕オーサリングなど放送制作機器一式を納入。機器の納入のみならず、ソニーの持つデジタルコンテンツ制作ノウハウやソリューションも積極的に導入するというから、様々な日本企業への影響が見て取れるであろう。
グッチやルイヴィトンなど、スーパーブランドと呼ばれるブランドからスマートフォンケースが販売されているように、アパレル業界への波及は早くから起こっていた。今後も、アプリケーションなどを通じて自社の商品をアピールしたり、新たなサービス展開を試みる企業は増え続け、思いもよらない業界との接点も広がるであろう。単なるトレンドではなく、スマートフォンやタブレット端末の利用を前提とした商品やサービスの展開が当然となるのかもしれない。その波及効果がもたらす経済効果は、一体どれほどのものとなるのであろうか。(編集担当:井畑学)