安倍晋三総理は14日開いた働き方改革での長時間労働是正の法改正の在り方について「皆様全員の賛同を得て初めて成案として出したいと思っている」とし「労働側、使用者側には、しっかりと合意形成していただく必要がある。合意を形成いただかなければ、この法案は出せない」と語り、労使合意を強く求めた。一方で労使合意のもとでなければ閣法を出さないと受け取れる発言になった。
安倍総理は「3月の実行計画決定まで、ひと月強。実態を見据え、実効性の上がる結論が計画に明記できるよう、残された時間に十分留意いただき、具体的に意見表明をお願いしたい」と要請した。
安倍総理は「罰則付きの時間外労働時間の上限規制は長年、労働政策審議会で議論されてきたが、結論を得ることはできなかった。このため『働き方改革実現会議』を設置し、私自らが議長になり、労使のトップや有識者の皆様に集まっていただき、議論することとしたので、胸襟を開いての責任ある議論を労使双方にお願いしたい」と労使の合意への努力を再度求めた。
この日の会議で働き方改革実現推進室が提示した改正方向では「36協定より週40時間を超えて労働可能となる時間外労働の限度を『月45時間、かつ年360時間』とする。上限は法律に明記し、上限を上回る時間外労働をさせた場合に特例を除き、罰則を科す」としている。ただ、「特例」として労使協定を結べば年間720時間、月平均60時間まで認めるなど、どこまで長時間労働の是正につながるのか、実効に疑問の声もある。(編集担当:森高龍二)