東芝が、経済産業省が今年2月に公募した「平成23年度インフラ・システム輸出促進調査等委託事業(グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査)」において、代表幹事を務めるプロジェクト3件が、委託先として選定されたと発表。このほか2件のプロジェクトに、共同メンバーとして参画するという。
「平成23年度インフラ・システム輸出促進調査等委託事業」は、「スマートコミュニティ」及び途上国や新興国で今後の需要拡大が見込める金融、交通、物流、防災、電子政府システム等の「スマート情報システム」の海外展開を推進することを目的として実施されるもの。東芝が代表幹事として採択されたのは「中国における低炭素環境都市インフラ普及モデルの事業性調査」「ベトナム・ハノイソフトウェア技術パークのスマートコミュニティ事業可能性調査」「中東欧におけるスマートコミュニティ事業可能性調査(第2次)」の3件である。
中国では、協力関係にある現地企業と共に、スマートコミュニティ及びエコシティにおける、ビル・工場の省エネ、コージェネレーションシステムを活用したソリューション導入に向けた事業性評価を、ベトナム・ハノイでは、ソフトウェア関連企業の集積を目指した都市開発プロジェクトにおけるスマートコミュニティ事業の可能性調査を行う。また中東欧では、第1次調査を行った中東欧諸国(ブルガリア、ルーマニア、チェコ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、トルコ)の再生可能エネルギー導入と地域密着型エネルギー供給の変革に向けた実態調査を行ったことを受け、引き続き事業性調査を行うという。
さらに東芝は、みずほ情報総研が代表幹事を務める「中国・広州市南沙開発区スマートコンパクトシティプロジェクト事業可能性調査」、日本総合研究所が代表幹事を務める「タイの高度産業集積型都市におけるスマートコミュニティ開発事業」の2件にも共同メンバーとして参加する。
政府主導で活発に行われているインフラ・システムの輸出事業。現段階では、まだ事前調査の段階のプロジェクトが大半であるが、数年内に続々とその結果が表れるであろう。どれだけの事業が実現可能であろうか。その結果次第で、新興市場での日本企業の存在感が大きく左右されるかもしれない。