コンビニエンスストアやスーパーなどで缶コーヒーがズラリと並んでいる棚を見ると、飲み口側にプラスティック製のキャップがかぶせられ、その中に、様々なミニチュア玩具が入っていることがあるだろう。ここにはメーカー各社が販売促進の一環として行うキャンペーンの景品などが入っており、対象商品の認知度をあげる広告ツールとして一役かっているという。
例えば、アサヒ飲料はWONDAシリーズを対象に、今年の1月にAKB48の10人がモチーフとなった「WONDA×AKB48開運ワンダフルストラップ」をコンビニ限定で展開。お守り型ストラップをオンキャップに入れ販売し、大きな話題となった。現在、サントリーはボスシリーズの「ゼロの頂点」を対象に「JAPAN SL COLLECTION」と銘打ったキャンペーンを実施。日本全国の人気蒸気機関車を精巧に再現したミニチュアモデルをオンキャップに入れている。年配世代には懐かしさを、若い世代には新鮮さを感じさせると評判となっているようだ。
また、ダイドードリンコは「DyDo MINI プルバックカーコレクションキャンペーン」を本日3月12日より開始。これは小さなボディからは想像できない室内空間と小気味よい走りで人気のMINIをモデルにしたコレクションで、全6種類を用意している。1992年の発売以来、”贅沢に凝縮した旨味を小容量で提供する”というコンセプトを貫く同社の定番ブランド、デミタスコーヒーを対象に実施し、景品がなくなり次第終了する予定だという。デミタスコーヒーは昨年より女優の篠原涼子を起用し、積極的な広告展開もおこなっている。同社は自動販売機の売り上げが90%を占める点が1つの特徴の企業だが、昨年の大震災をきっかけに、販売チャネルを増やすことも視野に入れている。今回のキャンペーンは、コンビニエンスストア限定で実施し、自動販売機以外でも同製品の認知度を高め、消費者の購買意欲向上を狙う。
缶飲料、なかでも缶コーヒーは男性を中心とした嗜好品であることから、各社定番のラインアップが基本的には定着し、また新たな製品も毎年拡充しており、激戦市場である事は間違いない。このような缶コーヒーを対象としたオンキャップキャンペーンは、男性のコレクター心理をくすぐる内容のものが多く、各社、新たな顧客獲得を目指すアイデアを考え、試行錯誤を繰り返している。いかにコレクター心理をうまく引きつけるかが、激戦市場を勝ち抜く鍵になるのかもしれない。