現在、金融から公共サービスまで、幅広い領域においてAIの試験導入が進められており、その応用範囲は拡大の一途をたどっている。このように、AIに関しての認知度が高まり、実証実験が多く実施された2016年に続き、17年は実際の活用事例が多く報告されると見られている。
こうしたなか、AI・コグニティブソリューションのアイアクトは、企業のAIに対する取り組み姿勢を把握すべく「AIに関しての意識調査」を実施した。まず、AIの認知に対する質問では、「ある程度知っている」が7割強となり、AIがどのようなものか、どういった用途で活用が可能かといった認知・情報収集のフェーズから次のフェーズへの移行段階にあることが見てとれる。家族や友人とのあいだでの会話においても、52%がAIに関しての「話題に出る」と回答しており、AIが日常的に認知され、意識され始めていることが裏付けられた。
また、AIの普及に要する期間に関して「業務」では1年が31%、2年が34%となった。これに対して「家庭」では3年以上が61%との結果となり、やはりビジネス用途での活用が先行し、家庭への普及には時間を要するとの認識が持たれていることがわかる。AIで仕事が楽になると思うかとの質問では「思う」との回答が88%に及んだ。一方で、自分の仕事がAIに取って代わるかに対しては「思わない」が69%となり、多くの人はあくまでAIをシステムに取り込むことでうまく仕事をしていくことを想定しているようだ。
企業へのAIの導入検討に対しては、15%で「既に導入検討中」、6%で「半年以内」、12%で「1年以内」、5%で「2年以内」と回答しており、4割強の企業で近い将来にAI導入を検討していることがわかる。また、約30%ですでにAIに関する人員を確保。30%でAIに関する予算を見込んでいた。具体的な予算の額は「100万以内」が4%、「500万以内」が10%、「1000万以内」と「3000万以内」が各9%となった。なお、AIで実現しようとしているものは。「生産性の向上」が最も多く、次いで「コスト削減」となった。
開発や製造、物流、営業、サービスなどの広範囲にわたる業務がAI活用による効率化の対象となる。AI導入がビジネスの成否を分けると考えられており、企業にとってAIの活用法や導入時期の見極めが重要となる。(編集担当:久保田雄城)