ルネサス、超低消費力のLCDドライバ内蔵マイコンを発売

2012年03月07日 11:00

 ルネサス エレクトロニクスが、超低消費電力のLCDドライバ内蔵マイコン「RL78/L12グループ」を製品化したと発表。新製品は、同社従来品比で約30%消費電流を削減しており、液晶(LCD)パネル付きの小物家電・健康機器・リモコンなどの民生機器や、計測器・ビル管理システムなどの産業機器向けに、6月からサンプル出荷を開始する。

 LCDパネルは、利便性向上などの点から今や家電製品や血圧計等の健康機器、および計測器やビル管理システムの表示など様々な民生・産業機器に搭載されている。また、LCD制御に必要な回路と汎用マイコンの機能を1チップに搭載したLCDドライバ内蔵マイコンには、LCD表示システムの省電力化や表示情報量の増大に対応するため、さらなる低消費電力化やセグメント数の増加が求められている。

 こういった状況を受けてルネサスは、セグメント表示方式のLCDパネルを制御するマイコンで、32から64ピンのパッケージ、8KBから32KBのフラッシュメモリを内蔵する18品種を新製品として発表。業界最小クラスの消費電力を実現しているだけでなく、64ピンパッケージ品でのLCDの表示セグメント数を同社従来品の最大224から最大280セグメントの表示に拡張しており、業界最大クラスのLCDセグメント数も実現している。加えて、欧州の家電製品の安全規格で必須とされるIEC60730への対応や、マイコンに内蔵する周辺機能の活用によるシステムコストの低減など、同社従来品『RL78ファミリ』の優れた特長も継承した新製品となっている。

 毎日のように小型化、低消費電力化の進んだ新製品が発表される半導体業界。もはや従来品からの低消費電力化を実現していることが、新製品として必要不可欠なスペックと言える。それだけ他社製品との差別化が困難な時代となってきたとも言えるであろう。今後、この小型化・低消費電力にどんな付加価値が加わった製品が登場し、スタンダードとなっていくのであろうか。