稲田朋美防衛大臣は9日の記者会見で、今月初めに自衛隊の護衛艦がアメリカの補給艦と並走する事案があったが、安全保障関連法に基づく武器等防護、米艦防護の実施があったかなかったのかと記者団に聞かれ「その点についての答えは差し控えたい」と明らかにしなかった。
稲田防衛大臣は「5月1日から3日までの間、海上自衛隊の護衛艦2隻が米軍の補給艦1隻と共同訓練を行った件について、様々な報道があることも承知しているが、米軍等の警護実施に関しては米軍の活動への影響、相手方の関係もある」と明らかに出来ない理由を語った。
米艦防護などについては、前日の衆院予算委員会で安倍晋三総理が民進党の長妻昭議員の質問に答える形で「米軍警護をするのは米軍が自ら警護するのには不十分な状況であり、脆弱な状況に置かれている場合であるからこそ実施するわけであり、逐一の実施を公にすることは米軍等の能力を明らかにし、活動に影響を及ぼすおそれがある。また相手方との関係もあるので、公開は差し引かえたい。法令に従い厳格な運用をしていく」と答えていた。
安倍総理は、そのうえで(1)米軍などを警護している際、米軍および警護している自衛隊に対し、何らかの侵害行為が発生した場合など特異な事情が発生した場合には事実関係を速やかに公表する。(2)重要影響事態に警護の実施が必要と認める場合には予め警護実施の旨を公表する。(3)防衛大臣には毎年、米軍等の警護の実施結果について、国家安全保障会議への報告を義務付けており、その内容についても適切に情報公開する考えとした。(編集担当:森高龍二)