作業簡素化で年内策定なら将来の禍根にも 石破氏

2017年05月29日 07:05

 石破茂元防衛大臣は26日のブログで、安倍晋三総裁が「憲法9条に自衛隊を書き込みたい」「2020年に改正憲法を施行したい」などと発言したことを受け、自民党に年内に改正案をつくる動きになっていることに「改正案作りのメンバーを限定し、作業を簡素化し、年内に案を作ろうとするのであれば、将来に禍根を残すことにもなりかねない」とけん制した。

 石破元防衛大臣は「党の日本国憲法改正草案の策定後に議席を得た自民党議員が全体の約半数にもなるので、まず、党の案をベースとして、どのような過程でこれが作成されたのかを丁寧かつ濃密に検証することが作業のスタートになるはず」と年内ありきで進めるのではなく、手順を踏んだ進め方をしなければいけないと提起した。

 石破氏は「民進党よりはまだマシだから、ではなく、自民党が良いからを支持理由に挙げて頂くための努力が更に必要」としたうえで、憲法9条に自衛隊を書き込みたいとする部分においても「第3項を加えるのか、9条の2というかたちにするのか、議論の焦点は『国民の多くがその存在を肯定している自衛隊を憲法に書き込む』という現状追認型の憲法改正とするのか(それでも現第2項との論理的整合は極めて困難と思われます)、『独立国とは何か、それを守る組織とは何か、同盟とは何かに至るまで、国の根幹を問い直す憲法改正とするのか』であるべきではないか」と目指す目標を見据えた議論をしなければならないと提起している。(編集担当:森高龍二)