クラッシャー上司の存在に悩む保育士の実態

2017年07月17日 08:19

画・クラッシャー上司の存在に悩む保育士の実態

「クラッシャー上司」が問題となっているケースは9割程度にも上っており、クラッシャー上司自体に悪意がないこと、これを取り巻く環境にも助長する趨勢があることがあるために、何らかの法的措置を策定したり、慣習自体を大きく改めていく必要性があり、パワハラを受けている人においても、これを容認しないことが重要。

 最近、「クラッシャー上司」というものが問題となっているようである。この「クラッシャー上司」というものは、部下を執拗に叱責したり罵倒したりすることによって、休職や退職へと陥らせてしまう上司のことだ。

 保育士においても、このような「クラッシャー上司」というものが顕著となっており、この存在は、株式会社ウェルクス「保育のお仕事」の調査結果により8割程度にまで登ることが明らかとなっている。また、同調査において、この「クラッシャー上司」に該当する上司は、自己がパワハラをしていることに何ら認識していないというケースが9割を占めているということも判明している。そして、7割程度が、部下に対して恣意的に取り計らっているというのである。この「クラッシャー上司」の特色として、悪意がないことも一つの傾向のようだ。こうした「クラッシャー上司」の所為により、部下が休職や退職を余儀なくされているケースは現実として存在する。

 こうした「クラッシャー上司」にどのように対処したかという点では、「なるべく看過する」、「知人に相談する」、そして「休職や退職を行う」などといった対策が、各5割程度を占めているのに対して、異議を申し出る旨の方途は、2割程度とごく少数にとどまっている。

 「クラッシャー上司」への有効な対策法として例示されるものとしては、体制自体を変更することを辞さない覚悟が必要であるとともに、相談機関の設置や、何らかの法的措置を設けることが挙げられている。

 ただ、現実として、「クラッシャー上司」は、これまでの実績に照らして容認されている傾向があるために、「クラッシャー上司」の上役から信頼を得ていることから、ますます増長している場合が多く存在しており、職場という組織単位での懲戒などは望めない場合が多いようである。そのために、職場での規定を抜本的に改善すること、慣習として体制を改めていくことが求められている。

 「クラッシャー上司」の特段の問題点とは、クラッシャー上司自体に悪意がないこと、職場自体がクラッシャー上司の存在を容認していることにある。さらに、これを取り巻く問題点として、組織の体制が旧態依然のままであることもそうであろう。

 これに対する対策として、考えられる方途とは、クラッシャー上司が正しいものである、あるいは、必要なものと思い込まないことが肝要であろう。(編集担当:久保田雄城)