加計学園獣医学部建設見積額「相場の約2倍」

2017年07月25日 07:57

 学校法人加計学園(岡山市)への獣医学部新設を巡る国家戦略特区での疑惑に絡んで、24日の衆院予算委員会(閉会中審査)で、民進党の今井雅人議員が加計学園の獣医学部建設の見積額が「相場の約2倍」になっており、額の妥当性について、今治市でも、住民にきちんとした説明があったのかどうかという問題になりつつあると「今治市民の間で経費水増し疑惑が広がっており、森友学園問題になりかねないと危惧している」と新たな問題が提起された。

 今井議員は見積額の精査をしっかり行い、不正がないのか明らかにすべきと感じているとして、加計学園理事長の加計孝太郎氏の国会招致を求めた。予算委員会委員長は理事会で協議すると答えた。

 今井議員によると「加計学園の獣医学部建設の費用は総額195億3000万円になっており、鉄骨造りで1坪あたりの単価が150万9000円になっている。専門家によると鉄骨造りではこんな金額にならないとされた。同じく、国家戦略特区で医学部をつくる国際医療福祉大学に直接電話で聞いたが、医学部でも鉄筋コンクリート(PC)で、坪当たり87万2000円、看護学部・保健医療学部の鉄筋コンクリート(PC)で78万9000円だった。加計学園の坪単価は約2倍になっている」と指摘。「これほどにお金が本当にかかるのか」と専門家や自ら聞き取りで得た情報から、疑問をあげた。

 また、建設費について大学設置審議会でも議論されるのかを聞いたとし「規定には下限はあるが、上限はない」と言われ、加計学園の獣医学部クラスの建設費では下限は34億1000万円くらいとされるが、「それより高い建設費の場合、いくらでも、設置審では問題にしない」という回答だったという。

 そのうえで、加計学園の建設費用は下限とされる34億円の約6倍だと、なぜ、そこまで高額になるのか疑問を投げた。

 今井議員は「今治市は建設費の半額(上限で96億円)の公費を投じることになり、私学助成金で、いずれ国費も入る。これだけ高い単価になるのは、ひょっとしたら、何らかの水増しもあるのではないか、(水増しがないのか)しっかりチェックしなければいけない」と求めた。またこの建設の設計は加計グループ会社が行っていることも指摘した。(編集担当:森高龍二)