加計学園への新設「白紙は考えていない」総理

2017年07月25日 08:07

 安倍晋三総理は24日の衆院予算委員会(閉会中審査)で、学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部新設をめぐる疑惑が深まる中で、加計学園の獣医学部新設を白紙に戻し、もう一度手続きをやり直すことが、信頼回復への一番の方法だと民進党の玉木雄一郎議員に決定の白紙を求められ「白紙にすることは考えていない」とした。

 そのうえで、安倍総理は、国民の多くが、「加計在りき」で国家戦略特区が利用されたのではないかと強い疑念を抱いていることには、認識のあることを示し「国民の皆さまの疑念を晴らしていくために何ができるかは真剣に考えていきたい」と答えた。

 また松野博一文科大臣は、この日の委員会で国家戦略特区に獣医学部新設が決まった2016年11月9日の前日に文科省から加計学園に対し送られたとされる「加計学園への伝達事項」という文書の存在を認めた。そのうえで、大学設置への問い合わせに応じたもので、適切なものだと強調した。安倍総理も「文科省としても法令に則り、適切にしていると思う」と述べた。

 「加計学園への伝達事項」とするものは「文科省として懸念している事項をお伝えします」としており「公務員獣医師養成や人獣共通観戦研究、医学部との連携などは、既存の獣医学部でも取り組まれており、日本再興戦略2015との関係で『既存の獣医師養成でない構想が具体化』や『既存の大学・学部では対応が困難な場合』という観点から、差別化ができるよう、よく検討して頂きたい」などと伝え、さらに、文書のカッコ部分では「表現ぶりの工夫が必要、その際、ハードルを上げすぎないように注意」とまで助言していた。

 玉木議員は「こんな加計ありきの文書の存在が今日明らかになった。これはもう紛れもない加計ありきの文書だ」と指摘。そのうえで、安倍総理に「白紙に戻してもう一度手続きをやり直す。これが信頼を回復する一番の方法だ」と迫った。(編集担当:森高龍二)