民進党の蓮舫代表は27日、記者会見し、代表を辞任すると表明した。民主党から自民党への政権交代以降、支持率低迷を続ける民進党が、次期総選挙までに自民党に対峙し得る「政権担当政党」に再建できるかどうか、党の顔となる代表とその下での新執行部の顔ぶれが党の命運を握ることになる。
この日の会見で蓮舫代表は「いったん(代表を)引いて、より強い受け皿になる民進党を新たな執行部に率いてもらう。これが最善の策」とした。
そのうえで、その決断は「民進党のためでも、私のためでもない」とし「民主主義のために、選択肢として『2大政党制』の民進党を作り直すことが国民のため」と自民党に代わり、政権担当する政党にすべく、新執行部の下で、作ってもらう必要がある旨を強調した。
蓮舫代表は「党の規約に基づき、速やかに新代表を選んでいただき『民進党ここにあり』という体制を作ってもらいたい」とした。
「わが党には経験がある人、志が常に高い仲間、若くてチャレンジ精神がある素晴らしい仲間がいる。求心力を高める執行部ができることを切に願う」と強い期待を示した。
民進党は都議選で2議席減らし、議席を5議席に後退させた。歴史的大敗を期した自民党の受け皿になれなかったことの責任は大きく、野田佳彦幹事長が先に辞任の意向を表明していた。
加えて、連合との関係においても、時間給でなく成果で賃金を決める「高度プロフェッショナル制度」を含む労働基準法改正案を巡り、選挙では民進党の支持基盤組織ともいえる「連合」が、この制度を年間104日以上の休日確保を法案に盛り込むよう求めたことで、事実上、制度を容認する意向を一時的とはいえ安倍晋三総理に伝えた際、蓮舫代表にその旨が神津里季生連合会長から伝えられたのは当日の朝だった、など民進党と連合の労基法改正案をめぐる連携にも乱れが見られた。民進党には地方基盤の脆弱さも目立っており、新代表の下で、どこまで党内をまとめ、支持基盤を全国に広げていけるのか、課題が山積している。(編集担当:森高龍二)