本日ユニセフ(国連児童基金)は貧困状態にある子供の約1億2300万人が学校に通えていないことを発表した。貧困や戦争状態といった極限状態の地域では十分な援助が行き届かず、結果として教育設備や人員も行きわたらない。ユニセフ本部教育部長ジョ・ボーノ氏は「根本的解決を目的とした投資を行うべきだ」と述べた。
ユニセフ(国連児童基金)は学齢期に当たる子供の11.5%、1億2300万人が貧困によって学校に通えない現状にあることを発表した。貧困地域における長期化する戦争がこれらの問題を長期化させているとして、より多くの投資が必要であることを訴えている。ユニセフ本部教育部長ジョ・ボーノ氏は、「人口増加に合わせ職員の数を増加するだけでは投資は十分では無く、立場の弱い子供たちの潜在能力を伸ばす対策を政情不安の解決を大前提とし投資を行わなければならない」と述べている。
貧困が深刻なサハラ以南のアフリカおよび南アジアでは、世界の初等・前期中等教育の学齢期の非就学児の75%を占めているという衝撃的な結果が現在進行形で問題となっている。教育分野を逆行させている「貧困」「戦争」という問題は当然ながら子供たちが学校へ通う事を妨げる結果となっており、このような「緊急時下での教育環境」では資金不足や子供たちへのセルフケアなどの援助も対策も大きく遅れているのだ。
子供たちがこのような現状の中で知識を学ぶことは「安心」を得ることになるし、長期的に考え子供たちが成長し地域に発展に貢献しやすい知識の土台を得ることにもつながるのだ。知識はどう転んでも子供にとって「得」であるという特徴を持っており、子供たちが将来、学んだ知識を応用することで国の発展につなげることのできる施策であるにもかかわらず、それが実施されていないのが貧困地域の現状だ。
そのような状況のなかで、世界で最も貧しいとされているエチオピアとニジェールはユニセフなどの積極的な支援によって、過去十年間に初等教育の年齢の子どもの就学率が15%以上に上昇したなど援助による確かな成果が出ているのだ。
先進国に住む者はこれらの貧困が実感しづらいものだが、貧困地域では未来ある子供たちがこのような極限状態の中で十分な教養を得られないでいるのが現状なのだ。その援助を、ユニセフを介すことにより個人でもある程度の投資が可能という事を知ってもらいたい。(編集担当:久保田雄城)