野田佳彦総理は社会保障と税の一体改革の大綱を17日、閣議決定したのを受けて、同日から政府インターネットテレビ(首相官邸ホームページ)で自ら「不退転の決意でやり遂げる。全ての世代のみなさまに改めて協力をお願いしたい」と国民に理解と協力への呼びかけを始めた。
野田総理は呼びかけの中で社会保障と税の一体改革について「3つの点で待ったなし」とし、全世代対応型の社会保障、地域包括ケアが必要になっているとして社会保障の機能強化が待ったなしとした。2点目に年金について現役世代が高齢者を支える形が胴上げ型から現在は1人の高齢者を3人で支える騎馬戦型に、40年先には1人が1人を支える肩車型の社会になるとして「今の若者が40年後には肩に乗る世代になる」とし、持続可能な社会保障の構築に待ったなしとした。3点目には日本の信用が待ったなしとし、欧州の債務問題をあげて「いつ日本に火の粉がかかるか分からない」と語ったうえで「財政規律を守る国であることを(世界に)示さねばならない」と消費税引き上げに対する理解を求めた。
野田総理はこうした負担を国民に求めることから「今国会中に国会議員の定数削減、国家公務員給与の平均8%の削減、独立行政法人の4割削減、特別会計の改革断行」を断言。経済再生にむけても日銀と連携して円高・デフレ脱却に努めるとした。
野田総理は「負担なくして給付なし」と語り、「将来の世代のポケットに手をつっこんで前借してやっていくのはもう止めなければならない」と強調。「全ての世代にお願いしたい」として、団塊の世代には「支える世代のことを慮(おもんばか)って世論づくりの先頭に立って頂きたい」とした。また現役世代に対して「支え合う構図をしっかり受け継いで頂きたい」とし、子育てに奮闘している世代、子育てしながら仕事と両立させたいと思っている人たちには「子ども・子育て新システムを構築する」ので、改めて協力をと呼びかけた。(編集担当:福角忠夫)