2017年1月?9月国内新車販売。強いN-BOXとノート、トヨタHV軍団苦戦

2017年10月07日 06:29

新車

1月~9月の国内累計新車販売実績、トヨタHV軍団が苦戦のなか、ホンダN-BOXと日産ノートの数字が目立つ

 日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が、2017年度新車車名別販売台数速報を発表した。

 自販連の統計データは年度累計(4月~9月)、全軽自協は年度累計のほかに1月~9月の暦年累計も発表した。そこで、ほとんどのメディアは年度累計(4月~9月)で販売傾向を分析しているが、ここでは暦年累計を独自に算出して考察する。

 2017年1月から9月の累計新車販売ランキングは表のようになった。数字を見ると軽自動車販売の復調が目立つ。2015年春に実施した軽自動車税引き上げによる販売への影響が薄らいできたほか、各社が投入した新型車効果も大きい。9月だけの軽自動車実績数字をみると、前年比110.8%となる。

 ホンダN-BOX、日産デイズ、ダイハツ・ムーブ、スズキ・ワゴンRなどが、前年実績を大きく上回る。

 なかでも、9月1日フルモデルチェンジし発売した「ホンダN-BOX」の圧倒的な強さが目立つ。ホンダによると10月4日現在、その受注台数は5万2000台を超えるという。モデル末期だった先代の販売が落ち込まなかったことに加え、新型車効果で年末から来年3月の年度末まで独走状態が続きそうな勢いだ。

 また、年度累計では気がつかない“大きな変化”も現れてきた。プリウス、アクアといった登録車ランキング上位常連だった「トヨタ・ハイブリッド軍団」の落ち込みだ。代わって登録車トップに立った、日産ノート(前年比168.1%)の好調ぶりが目立つ。販売を牽引しているのは、日産ノートに昨年、追加された「e-Power」モデル。日産の「e-Power」というネーミングがマーケ戦略で効いたのか、「e-Power」も所詮ハイブリッドの一種であるシリーズ型ハイブリッド車なのに、目新しさが伝わってくるから不思議だ。日産の戦略の勝利と言えそうだ。

 翻って、1月?9月累計新車販売でトップ20にランクインしたトヨタ車をみると、プリウス(前年比51.4%)、アクア(同75.8%)、シエンタ(同80.4%)と軒並み前年割れとなった。唯一気を吐いているのが、SUVとしてトップになったプリウスベースのSUV、C-HRだ。しかも、トップ20ランキングに軽自動車が10車種、トヨタ車が5車種だけというのも、近年見たことがない。

 今年も残り3カ月、ホンダN-BOXの総合トップは堅い。が、日産ノートがこのまま逃げ切って登録車1位となるのか、に注目が集まる。(編集担当:吉田恒)