ルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)が、車載用V850ファミリのボディ制御向け「Fシリーズ」での4世代目として、「V850E2/Fx4-L」19品種を製品化し、サンプル出荷を開始したと発表。新製品は、システムの低消費電力化と高機能化に貢献する32ビットマイコン。端子数64~176ピンのパッケージを有し、BCM(Body Control Module)、オートエアコン、ライトモジュール等、広範囲な車載ボディ制御用途に最適なものであるという。
新製品は、従来製品である「V850ES/Fx3」に対し、動作電流を約1/3に低減しながらもCPUの最大動作周波数を約1.3倍となる64MHzに高速化。かつ、CPUが動作していない状態ではCPU用の電流をストップする省電力モードを搭載している。また、内蔵フラッシュメモリ容量の最大サイズを約1.5倍となる1.5MBに拡張、「機能安全」をサポートする豊富な診断機能も搭載。さらに、CPUを経由せずにマイコン内蔵の周辺機能とメモリ間でデータをやり取りするデータ転送方式(DM)搭載チャネル数を2倍の8チャネルとするなど、システム全体での低消費電力化及び、ボディ制御電子ユニットの高機能化に貢献するものになっている。
スマート社会の実現に向け、着実に技術が進化している一方で、ニーズの多様化も広がっている。車内LAN増加などの高機能化、安全性の向上や低消費電力化など、スマート社会における自動車への要求にどれだけ先回りして応えていけるのか。それが日本の主力産業・自動車の、復興・復権のカギとなるであろう。今回の新製品はそこにどれだけ寄与できるのか。エンドユーザーにとって目で見て分かるものではないであろうが、様々な機能となって実感させてくれることを期待したい。