花王が、花王インドネシア化学の新工場をジャカルタ郊外のカラワン工業団地に建設し、あわせて製造設備を増強すると発表。敷地面積は現工場の2倍となる約12万平方メートルで、主要生産品である界面活性剤の生産設備を新設し、現工場から移設する既存設備とあわせて、界面活性剤の年産能力を現在の約1.5倍に増強する。
現在、花王インドネシア化学で製造している工業用製品は、アジア経済の成長に伴い、インドネシア国内・輸出向けとも需要が伸長。香粧品分野を含む産業用の化学製品の需要は、さらなる拡大が見込まれる一方、現工場はフル稼動に近い状況にあり、現有敷地では将来の規模拡大に限界があることから、生産拠点の移転を決めたという。新工場は2012年2月に着工、2013年1月から順次稼動開始予定し、新工場建設に伴い、現工場は2014年12月末までに移転を完了、新工場へ統合する予定とのこと。
花王のケミカル事業は、日本では震災や円高、タイの洪水等に伴う対象業界の需要減の影響があったものの、海外では売上は向上。先日発表された第3四半期決算でも前年同月比8.9%増となっている。この売上増を実現したのがアジア経済の成長であるが、花王インドネシア化学は、その成長に伴って設立されたものではなく、1977年に設立された地元に根付いた会社である。インドネシアに限らずアジア諸国に進出する企業にとって、新工場建設・生産設備増強を実現する花王インドネシア化学は、新市場で成長していくための良き目標となるであろう。